一軒家への引っ越しを考えるなら、知っておきたい「スモールハウス」の未来
極小な面積でもシンプルなライフスタイルを楽しめる家を「スモールハウス」と呼びます。スモールハウスを拠点にするのはもちろん、引っ越しも気軽にできる多拠点生活に活用する事例も増えてきました。ここでは、そんなスモールハウスについて解説します。
スモールハウスとは読んで字のごとく、「小さな家」のことです。近年はあまりモノを持たずにシンプルな暮らしに憧れるミニマリストが話題です。広い家に住み、ラグジュアリーなモノに囲まれて生活するよりも、必要最低限のモノで十分に自身のライフスタイルを謳歌できるという人も増えてきました。そんな中、最低限の機能と広さを備えた家の方が快適だという人が増えており、スモールハウスへの引越しを希望する人もいます。
スモールハウスなら、風呂・キッチン付きでも駐車場1台分ほどの土地スペースがあれば家を建てられます。特に近年は3Dプリンターの発達により、安価かつ非常に短い期間で一軒家を建てられるなど、経済の縮小や人口減少といった社会問題にも対応する家として注目を集めています。
スモールハウスと呼ばれる家にはいくつかのタイプがあります。用途や目的に応じて、どのようなスモールハウスを建てるかはしっかりと将来も見据えて検討したいところです。以下に主なスモールハウスのタイプを紹介します。
●タイニーハウス
いわゆるスモールハウスは「タイニーハウス」とも呼ばれます。10〜20㎡の小さな家の中には、キッチン、トイレ、風呂が付いていて、1〜2人で暮らすことを想定して建てられます。
●トレーラーハウス
アメリカなどで見られる、自動車が牽引するトレーラーの上に立てる小屋のことをトレーラーハウスと呼びます。キャンピングカーのようなイメージです。アメリカやオーストラリアなど広大な土地の国では時々見られる住居タイプで、自由に移動が可能な点がメリットです。ただし、住居扱いではないので、住所はなく、車両の車庫証明などが必要なため、日本ではセカンドハウスとして、持つ人がほとんどです。
●コンテナハウス
コンテナハウスは、輸送用のコンテナを居住用にカスタマイズした家のことです。仮設住宅として災害時に利用されることが多いですが、私用で買うことも可能です。重量鉄骨で作られているので、耐震性などに優れていますが、遮蔽性・遮熱性が高いため夏は熱くなるので快適性には疑問が残ります。
「マイクロハウス」「タイニーハウス」とも呼ばれるスモールハウスには、小さい家ならではのメリットがいくつかあります。
●価格が安い
スモールハウス最大のメリットは、なんといっても住宅価格が安いこと。安ければ100万円台でも家が建つというのはとても魅力と言えます。家族3人で住むとしても、1000万円以下のものが多く、3Dプリンターで作るスモールハウスの場合は、早ければ24時間で家が建ちます。
●土地代も安くなる
家が小さければ、狭い土地を購入すれば良いので、土地代も安くなるのが大きなメリットと言えるでしょう。これなら、「都会に一軒家」を夢見ていた人も手が届きそうですね。また、田舎に行けば土地も安く買えるので、家は小さくても庭で家庭菜園やペットを飼うということもしやすくなります。
●多拠点生活を可能に
近年は、仕事が中心となる平日を首都圏で過ごし、週末は田舎でのんびりと暮らすという2拠点生活や、趣味のキャンプをもっと充実させたいという思いから山間に家を持つといった多拠点生活というライフスタイルも人気です。価格が安いスモールハウスであれば引っ越しもしやすく、自宅を複数持ちながら多拠点生活を楽しめるというのも魅力です。
●修繕や管理が簡単に
自宅が大きいと修繕や管理が大変です。修繕のコストはもちろんのこと、自宅や敷地内の清掃、庭の手入れなどやるべきことが増えてしまいます。また、家が広くモノがないと殺風景になったりして、どうしても家電や家具を買い足しがちになります。モノの管理にも費用がかかるので、ミニマルに暮らしたい人には、モノを増やさない(物理的に増やせない)スモールハウスは、それらのストレスから遠ざけてくれるでしょう。
●地震など自然災害が不安
スモールハウスの種類にもよりますが、鉄筋コンクリート構造というわけにはいかないので、やはり耐震性には不安が残ります。また、多くが平屋だけに洪水などの水害も心配な一面です。そのため、スモールハウスに引っ越す際には土地選びが重要な鍵となるでしょう。
●家族を増やせない
スモールハウスは多くが10〜20㎡の狭い家です。住めても2人が限界というものがほとんど。もちろん、家族用のスモールハウスもありますが、家族計画が難しくなるでしょう。
●2人以上だとプライバシーが保てない
スモールハウスでは1人または2人で住むのが主流です。1人の場合は気楽ですが、2人以上だとほぼプライベートスペースが取れないので、ストレスが溜まる人もいるかも知れません。引っ越し当初は楽しくても、ストレスが溜まるのでは意味はありません。
いかがでしたか? 徐々に普及し始めているスモールハウスですが、まだまだデメリットが目立つことも多く、一部の人にしか受け入れられていないという状況があります。しかし、3Dプリンターで家が建てられるようになった時代では、より快適なスモールハウスを作ることが可能になりました。3Dプリンターの家はリサイクル可能な素材でも建てられるので、環境にも優しいという点からも普及が進んでいく可能性があります。
従来型の一軒家ではコストや管理の面のほか、環境面から見ても減少していくことも考えられるので、今後は、自身のライフスタイルも含めて考え、スモールハウスへの引っ越しにも目を向けてみてはいかがでしょうか?
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