賃貸なら夢が叶う?「一戸建て賃貸」に引越すメリットとデメリット
一戸建てに住むというのは多くの人の憧れですが、なかなか簡単に購入できるものではありません。そんな中、近年は賃貸で一戸建てに住むという人が増えてきています。そこで今回は「一戸建て賃貸」に引っ越すメリットとデメリットについて紹介します。
国土交通省の統計によれば賃貸の一戸建てというのは賃貸物件全体のわずか2%しかありません。しかし、近年はリモートワークの普及により、特に家族世帯の人たちにおいて、都会の手狭なマンションやアパートから郊外に出て、一戸建てに住みたいという人が増えています。この需要の高まりに伴い、一戸建ての売却を考えていた人が賃貸にして、長期的に不労収入を得ようという人も増えているようです。
一戸建て賃貸に引っ越すメリットについて考えてみます。一戸建ては、もちろん単身者でも住むことが可能ですが、多くはお子さんがいる家族世帯の人たちです。お子さんがいるという前提で考えると一戸建てはさまざまな面でメリットがあると言えます。以下にそのメリットについて列挙していきます。
●初期費用が安く一戸建てに住める
一戸建てを購入する場合、初期費用だけでも多額の費用がかかりますが、賃貸であれば敷金や礼金、仲介手数料といった費用だけで一戸建てに住むことができます。これから一戸建てを購入する人にとっては、購入前のシミュレーションになるという面もあります。
●騒音トラブルになりにくい
小さなお子さんがいる家庭では、マンションやアパートの場合だと走り回ったり、大声を出したりしてしまうので近所迷惑になるのではと心配になってしまいます。その点、一戸建てなら、その心配はかなり軽減されます。また、夜中に洗濯機を回しても、掃除機をかけても騒音トラブルにはなりにくいので、生活がしやすいと感じることでしょう。
●ライフスタイルの変化に対応しやすい
例えば、仕事の関係で引っ越さなければならないなどライフスタイルの変化があった場合、一戸建てを購入した場合は売却などの手続きが大変です。引っ越しがしやすいのは賃貸ならではです。
●固定資産税などの税金が不要
一戸建てを購入した場合、月々のローンの返済のほかに固定資産税や都市計画税、不動産取得税などの税金がかかってきます。税金もけっこうな費用となりますが、賃貸であれば固定資産税のような税金がかかりません。
●駐車場代が不要
多くの一戸建ては駐車場が付いています。マンションやアパートなどの集合住宅に住む場合、別途駐車場代を支払って借りなくてはいけません。また、近くに借りられる駐車場がなければ車に乗りに行くのも大変です。
家族がいるなら一戸建てが落ち着けるという人も多い中、一戸建て賃貸ならではのデメリットもあります。住む場所や物件にもよりますが、以下のようなことに留意しておくべきでしょう。
●物件数が少ないため希望する物件が見つけにくい
最大のデメリットは「一戸建て賃貸」の物件数が少ないという点です。そのため、物件探しは集合住宅の場合より早い時期からスタートしなければなりません。また、一戸建て賃貸を都市部で見つけるのは難しく、どうしても郊外の物件になりがちです。そうなると、通勤や通学が遠距離になってしまう可能性があります。
●防犯対策がマンションよりも必要になる
一戸建てはマンションなどと比べると、玄関や窓などが空き巣などの侵入口になりやすく、セキュリティを自分たちでしっかりと行う必要があります。また、防犯カメラの設置やセキュリティの強化においても大家さんの許可を取る必要があり、防犯のためとはいえ、自在に改築することができないのが難点と言えます。
●庭の手入れや側溝の掃除などメンテナンスが大変
一戸建てには「庭付き」の物件も多いですが、その場合、常日頃から庭の手入れを行わなければなりません。また家の前の側溝の掃除も居住者が行うことになります。マンションに住んでいた時は管理会社がやってくれていた作業も自分たちで行わないといけないので面倒に感じるかもしれません。
●築年数が古い物件が多い
一戸建て賃貸は、所有者が何年も住んだ後で貸出するケースが多く、借りる際の築年数は古いのが一般的です。そのため、エアコンなど室内の設備も古いまま使用しなければならないケースがあります。不動産会社と相談して新しいものに交換してもらえる場合もありますが、自分で新しい設備にするために費用がかさむこともあります。
●自然災害に弱い
自然災害にはやはりマンションの方が強いと言えます。一戸建ては特に、豪雨による浸水や台風による損壊などのリスクがあります。一戸建て賃貸は築年数の古い物件も多いので、自然災害のための強化がどこまでなされているかがポイントになるでしょう。
●契約年数が限られていることも
一戸建ての賃貸は貸主の転勤、長期海外出張のような事情があることが多く、期間が限定的になっているケースがあります。これは「定期借家契約」という契約条件で、短くて1年程度、長くても5年ほどとなっているので注意が必要です
このように一戸建て賃貸は、通常のマンションのように気軽に賃貸できるものの面倒な部分もあります。それでも、家族で住む場合には一戸建ては住みやすいと感じることは多く、購入の足がかりになる場合もあるので、長期的なライフスタイルを見通してから引っ越すのが良いと言えるでしょう。
知りたい!シチュエーション別&特殊な引越しマニュアル
- 知りたい!シチュエーション別&特殊な引越マニュアル まとめ
- 入学時の引っ越し
- 卒業・就職時の引越し
- 結婚時の引っ越し&エピソード
- 小さなお子さんがいる場合の引っ越し
- ペットの引っ越し&エピソード
- ピアノの引越し&エピソード
- 車・バイクの引越し&エピソード
- 人形・ぬいぐるみの引っ越し
- お仏壇の引っ越し
- 入学、入社、結婚、出産。ライフイベントにおける引越しで大切なこと
- 今、注目されています。都心のお墓へお引越し
- 引越しする時の新しい考え方?「二拠点生活」「多拠点生活」というスタイル
- 参勤交代こそ江戸時代のお引越し?意外と知らない引越しに関する歴史
- ペットと暮らしたいからお引越し!ペット可物件、ペット共生物件のことを知っておきたい
- 事業を始めるなら、引越し先は「事務所可物件」「店舗可物件」を選ぶ?借りる前に知っておきたい基礎知識
- こんなにも違う!日本と世界の引越し事情【アメリカ・ドイツ・オーストラリア編】
- 日本の引越し業者ってすごいかも。こんなに違う世界の引越し事情【イタリア、インド、韓国編】
- 次に引っ越すなら、地方への「移住」を検討したい。日本の移住先で人気の地域とは?
- 憧れの海沿いの家に引越し!そのメリット・デメリットとは?
- 日本の引越し業者すごいかも。こんなに違う世界の引越し事情【中国、ブラジル、イギリス編】
- 地方移住を決意してお引越し。空き家を購入する時の注意点とは
- 日本の引越し業者すごいかも。こんなに違う世界の引越し事情【タイ、トルコ、フィンランド編】
- 次の引越しで実現したい!モノを持たないミニマリストの暮らし
- 日本の引越し業者すごいかも。こんなに違う世界の引越し事情【メキシコ、フィリピン、スペイン編】
- 日本の引越し業者すごいかも。こんなに違う世界の引越し事情【南アフリカ共和国、シンガポール、ペルー編】
- 子育てを意識して引越しを決意する。「子育て移住」の考え方
- 高齢者が賃貸物件に引越しする際に注意したいこと
- 韓国でも話題の「半地下物件」に引越してみたい?そのメリットデメリットは?
- 仕事で海外への引越しが決定。コロナ禍で必要な海外引越しの手順とは?
- キャンプ好きがこうじて山を購入!山に引越す手順を教えます
- 引越し先は大丈夫?感染予防対策をしているマンション、していないマンション
- 賃貸なら夢が叶う?「一戸建て賃貸」に引越すメリットとデメリット
- コロナ禍でオフィス再編。オフィスの引越しで注意すべきこと
- 次の引越しで一戸建てを検討中。でも世界的な「ウッドショック」でどうなるの?
- 老後を考えてお引越し。都会暮らしと、田舎暮らしどっちがおすすめ?
- 憧れの田舎にお引越し。古民家をリノベーションする時の注意点とは?
- 初めての一人暮らしでお引越し。その前に!トラブルにならないよう賃貸借契約を理解する
- 一軒家への引っ越しを考えるなら、知っておきたい「スモールハウス」の未来
- 引越しが楽しみになる!? 引越し・新生活をテーマにした映画
- 次に引越しするなら昭和レトロな物件で、落ち着いた生活がしたい
- 家族で引越しする時に知っておきたい。バリアフリー物件のチェックするポイント
- 引越しを考えるなら、ゴミ置き場と掲示板をチェック!見落としがちな賃貸物件のチェックポイント