韓国でも話題の「半地下物件」に引越してみたい?そのメリットデメリットは?
韓国映画「パラサイト 半地下の家族」で話題になった「半地下物件」。実は日本にもさまざまな半地下の居住用物件があるのをご存知ですか?半地下と聞くとあまりいいイメージを持てないかもしれませんが、よく調べるとメリットもあります。今回はその特長とメリット・デメリットについて紹介します。
半地下物件とは、まったく窓のない地下室とは異なり、部屋の半分くらいが地下に埋まっている部屋のことをいいます。もともと欧米では食糧庫や竜巻時の避難場所、使用人が住む小部屋として使われていました。地上に付けられた窓は採光・通風のためで、従来の地下室よりもジメジメしないことや暗くならないという利点があります。
韓国映画「パラサイト 半地下の家族」では、現代の貧困家庭の象徴として描かれていましたが、韓国では1950年代にあった朝鮮戦争における非常事態に備えての倉庫、防空壕として造られたのがその起源と言われています。
80年代には都心部での住宅不足から、それらを住居用に改築し、安い家賃で貸し出すところが出てきました。以降、韓国では低所得者が借りる部屋として定着しています。
日本では、傾斜地に家やマンションを建てる際に半地下となる部分があり、それらを地下物件として有効利用しています。(半)地下物件は防音がしやすいなどの特徴から、ライブハウスやバーなど商業施設として利用されることが多かったのですが、近年は地下の方が地上よりも占有面積を広く取れる場合があり、面積の割に賃料が安いことから居住用として利用されるケースも増えてきています。
半地下物件は、なんとなくのイメージで「陽が当たらない」「ジメジメしていそう」と思われがちです。そのため、半地下物件に住みたくないと思う人が多いかもしれませんが、半地下物件に住むと、実はさまざまなメリットがあります。
●耐震性が強くなる
半地下物件は、地下に空洞ができてしまうので、半地下があると建物は弱くなるのではと思われがちです。しかし、半地下を造るには、それだけ基礎を深くしないといけません。そのため、基礎が一層しっかりするので、地下や半地下がある家の方が地震に強い住宅と言えます。同時に基礎が強いということは、台風にも強くなります。
●遮音性の高い部屋が造れる
半地下物件は地上の部屋と比べると、遮音性が高くなるのが特徴です。近隣を気にせず楽しめるカラオケルームやシアタールームを設けられるほか、子どもたちが大声で騒げるキッズルームなど、リビングとは違った多彩な用途の部屋を造ることができます。
●オシャレなスペースに
最近は、デザイナーズ・マンションに半地下の部屋があるなど、オシャレな物件も増えています。半地下には広いテラスつきのリビング、階段を上がった上階に寝室といった部屋などもあり、地下にあるリビングだけにプライベート感も出るのが人気のようです。
半地下物件のメリットについては納得してもらえたでしょうか?とはいえ、特殊な部屋であることに違いはなく、それだけにデメリットもあるようです。
●台風や大雨での浸水リスク
近年のゲリラ豪雨や巨大台風などによる水害が多くなっている中、やはり半地下や地下物件となると、水害が心配です。もちろん建設前に防水対策や地盤調査を行ってから建てられているわけですから、通常の生活には問題ないかもしれませんが、近年の自然災害は未曾有の被害を出すケースが続いているので、半地下物件への引越しには注意が必要です。
●湿気が溜まりやすい
半地下物件は採光・通風ができるなど、地下に比べるともちろん湿気を避けやすいですが、やはりその多くは地上の部屋と比べると湿気が溜まりやすいと言わざるを得ません。
そのため、半地下物件に引越す際のポイントとなるのは、採光・防湿・通風を確保するためのドライエリアの有無となります。ドライエリアが設けられている場合は湿気についてもうまく調整できる可能性がありますが、ない場合はカビなどに悩まされる場合があるでしょう。
●防犯上に難がある可能性
半地下物件は窓やリビングなどがあるため、密閉しやすい地下室とは違って防犯上、難がある場合があります。また、地上階よりも人目につきにくいという特徴から、空き巣などに狙われやすくなることがありますので、引っ越す場合には防犯対策をしっかり行うことをオススメします。
半地下物件のメリットやデメリットをご紹介しました。
都心部の半地下物件は、書斎やガレージ、多目的ルームなどオシャレで高級な邸宅に付随していることが多く、注目を集めつつあります。
賃貸マンションなどでも、住み心地を考えられた物件もあるので、防災や防犯に気をつけながら部屋探しをしてみましょう。
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