憧れの田舎にお引越し。古民家をリノベーションする時の注意点とは?
近年人気となっている田舎への引越し。人気の理由の一つに古民家をリノベーションした風情ある暮らしへの憧れがあるそうです。そこで、今回は古民家をリノベーションするメリットと、なかなか気づかないデメリットについて解説します。
古民家を改築して現代のようなモダンな暮らしをするというのはよく聞きますが、実際のところ古民家リノベーションとはどのようなものなのでしょうか。かつて古民家といえば古臭いというイメージで中古物件としても人気が少なかったと思います。
しかし、日本の伝統的な建築様式で建てられた古民家は梁と柱の組み合わせだけで建てられているなど、民家でありながら、その高い建築技術は後世に保存すべき遺産という見方もされていました。古いものでは200年以上も前に建てられた古民家もあり、年月を刻んできた建築物ならではの佇まいや深みのある木の香りといったモダン建築では味わえない特徴と希少価値から近年人気を博すようになってきました。
一般住宅はもとより、改築次第でおしゃれなカフェや小さな宿泊施設などに生まれ変わることもあるほか、自由にリノベーションできる楽しさも付加されて、今では都会に住む古民家ファンの間では憧れのライフスタイルにもなっているようです。
古民家を購入したら、自由にリノベートしたいと思っている人は多いことでしょう。とはいえ、リノベーション費用はどれくらい必要なのかご存知でしょうか?
古民家の場合は特に経年劣化が進んでいることもあり、劣化の度合いでかなり費用は変わってきます。中でも重要なのが、耐震補強ですが、古民家に対する耐震補強工事は100万〜150万円程度かかると言われています。
古民家の場合は長年保存が行き届いているものであれば、DIYでリノベートする人もいます。全体的にDIYでリノベートする場合は1,000万円くらいが相場と言われています。
また、リフォーム会社などに完全委託する場合、50坪程度の全面リノベーションで約2,000〜3,000万円くらいかかるとされています。中には水道管が腐食していたり、インターネット回線が届いていなかったりなど家の状態でその費用は大きく変わるので一概には言えませんが、これらくらいを目安に考えている人が多いようです。
田舎暮らしの住宅として人気の古民家ですが、古民家をリノベーションして使うメリットにはどんなものがあるのでしょうか。実は古民家ならではのメリットもあります。
●耐久性が強い
古い家だけに補強工事が必要なのでは?と思う人も多いでしょう。しかし、必要なのは耐震補強工事くらいです。というのも古民家はケヤキやヒノキなど、耐久性が非常に強い木材で建てられていることが多いのです。これらの木材は寺社仏閣など歴史的建造物でも使われているため、その耐久性は証明済みと言えるでしょう。もちろん全ての古民家がケヤキやヒノキで建てられている訳ではないので、材質と築年数を調べておくとよいでしょう。
●歴史的な情緒を味わいつつモダンな生活
古民家は日本家屋の歴史そのものです。大きな梁と柱が特徴で、まるで歴史のワンシーンに入り込んだような情緒を味わえます。その中でリビングやキッチン、寝室などをリノベーションしてモダンな内装に仕上げることができるので、外から見ると普通の古民家なのに内装はとてもモダンな家に改築できます。また、DIYが可能なので、壁紙やフローリングを貼り替えてお好みのスタイルに仕上げることができます。
●税金面で優遇されやすい
一般的に古民家とは築50年以上の家屋を指しますが、築年数が古いほど固定資産税は原則的に安くなります(自治体によって異なる)。固定資産税は家を建て替えた場合には新築扱いになりますが、リノベーションをした場合は上がらないため、古民家を購入することで固定資産税を節約できるという特徴があります。これと同様に不動産取得税についても軽減される可能性が高くなるというメリットがあります。
それでは古民家をリノベーションする際のデメリットにはどのようなものがあるでしょうか?これは概ね皆さんが予想しているデメリットとなります。
●リノベーション費用が意外と高い
自分好みに内装を改築できる一方、古い建物だけにリノベーションは必須となります。リノベーションしている過程で配管の腐食が見つかるなど、思わぬ出費もある程度覚悟しておかないといけないでしょう。また、耐震のための補強工事が必要となることを念頭に入れておきましょう。
●引越しや日常生活が不便になる可能性も
古民家は近年希少価値が高まっており、なかなか思い通りの土地に見つからないことがあります。そのため、引越し先を先に決めてしまうと、物件が見つからない、仕事や日常生活においてアクセスが不便となることもあるでしょう。
●リノベーションの対応できる業者が少ない
どうしても田舎になるとリフォーム会社なども少なく、頼れる業者がなかなか見つからないケースもあるようです。DIYだけではなかなか生活インフラから、室内装飾まで全てを行うのは大変なので、リノベーションを依頼できる業者が地元にあるか否かという点も注意しておきましょう。
このように、古民家に住む田舎暮らしを100%満喫するには、ある程度の妥協点を持っておかないと引越しが大変になりそうです。また予算的にも余裕をみておく必要があり、ハードルは高いと言えますが、もし実現できれば、きっと快適な田舎暮らしの拠点になることでしょう。そのためにも事前のリサーチをしっかり行い、悔いのない引越しを目指したいところです。
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