日本の引越し業者すごいかも。こんなに違う世界の引越し事情【中国、ブラジル、イギリス編】
日本にいると、なかなか日本の良さに気づかなかったりするものですが、引っ越し事情もその1つのようです。海外では、これまで体験したことのないような引っ越し業者に出会ったり、賃貸物件の探し方にも大きな違いがあったりします。今回は、中国、ブラジル、イギリスの引越し事情を紹介します。
中国といえば、今やGDP世界第2位と、世界屈指の経済大国。日本とのつながりも多く、アメリカについで在留邦人が多い国です。一口に中国と言っても、漢民族を中心に55もの民族が1つの国に暮らす多民族国家であり、文化や習慣も非常に多種多様です。そのため、引越しの際にも、日本との違いに驚くことが多いようです。
●引越し業者は丁寧さよりもスピード勝負!
中国には多くの日本企業が進出しているため、日本人が中国のローカル引越業者に依頼するケースは少ないようです。しかし、引越費用を節約したい人は、ローカルの業者に依頼するとかなり格安で引っ越しができます。
ただし、気をつけたいのは、中国の引っ越し業者による運搬。スピードを重視するため、きびきびと働いてくれるのはいいのですが、丁寧さにかけるのが難点。そのため運んでいるダンボールを落とすなど、破損トラブルがちらほらあるようです。トラブルがあってもクレームをなかなか聞き入れてくれないこともあるので、自分で引越しをすることを選ぶ人が多いようです。
●ダンボールは自分で用意し、テープで補強
中国では、引越しの時に使うダンボールは、自分で揃えるのが一般的です。日本のダンボールと違って破れやすいので、中国の引っ越しでは、ダンボールをテープでぐるぐる巻きにして補強する人が多いようです。
●引っ越しの際に家具・家電が選べない!?
日本では、引越しの際は自分の家具・家電製品を運搬することが普通ですが、中国、特に上海などの大都市の賃貸物件では、家具・家電が備え付けになっていることが一般的です。備え付けの家具や家電は、部屋のオーナーが選定するため、同じマンションであっても、部屋の印象や雰囲気はオーナーのセンスによってかなり異なってきます。また、家電製品については、どうしても故障トラブルなどに見舞われるケースも多いので、炊飯器などは変圧器と一緒に日本から持ち込む人も多いようです。
日本では「地球の裏側」と称されるブラジルは、昔から日本移民が多く住み、日本と繋がりが深いことから親日国家でもあります。陽気で大らかな国民性で知られ、サッカーやコーヒーなどで有名。一方、近年は経済状況の悪化から、治安の悪さが指摘されており、引っ越しをする際には注意が必要です。
●ブラジルの引っ越し業者は気まま?
ブラジルでは、引っ越し業者が少ないということもあり、自分で引っ越すか日系の会社に依頼するパターンが多いようです。それでも現地の引っ越し業者を利用する場合は、時間のルーズさには大らかに対応しましょう。荷物が遅れて到着することが普通にあります。また、運搬時も荷物をきれいに運ぶことにあまり意識が向かないようで、テーブルの天板を下向きに置いたり、積み込みが雑だったりすることがあるようです。
●塀に高圧電線も!? 引っ越しで一番大切なポイントが「防犯」
治安の良い日本と違って、ブラジルでの引っ越しで一番重要なポイントは「防犯」と言われています。引越し先のポイントとして挙げられるのが、「24時間常駐の門番がいるか」「入口や駐車場の扉は二重扉か」「塀や柵に高圧電線が張り巡らされているか」などです。また、後に鍵を自分で変更するのが望ましいと言われています。これは、前入居者や家政婦などがコピーの鍵を持っていて、盗みに入ってくる可能性があるためです。
●ブラジルでの賃貸探しは初期費用に注意
ブラジルで賃貸物件にかかる初期費用は、日本と大きく異なります。例えばサンパウロなどの大都市では、30ヶ月契約が一般的。日本のように1年ではないので注意が必要です。また、契約時に不動産を所有している人を「保証人」に立てる必要があり、できない場合は家賃3ヶ月分の保証金が必要になります。さらに、借り手が固定資産税を支払う義務を背負うのも日本とは異なります。
●イギリスで引っ越し業者を利用するのはマイナー派
イギリスでは、引っ越し業者に依頼するのはメジャーではありません。通常はトラックやバンなどを借りて、家族や友達総出で手伝うのが一般的となっています。というのも、イギリスの賃貸では家具付き物件が多く、引っ越しにはそれほど労力がかからないためです。もちろん、お年寄りや体が不自由な人、力の弱い女性などのために引っ越し業者は存在しますが、ちょっとした引っ越しでも料金は日本と比べると非常に高いので注意が必要です。
●引越し見積もり業者は、積極的な営業が特徴
イギリスにも日本のように引越し見積もり一括サイトのようなものがあります。格安な引っ越し業者が見つかるとして人気がありますが、見積もりを取ると、すぐさま携帯電話に連絡が入り、積極的な営業をかけられることもしばしば。そのため、いくつも見積もりを取ると電話対応に追われる場合もあります。
●外観だけで判断しないことが大切
日本では賃貸物件を探す時、新築を好む人が多いようですが、イギリスでは古い物件ほど価値が高い場合が多くあります。築50年、築100年なんていう物件も珍しくはありません。しかし、外観が古いからといって、その物件を諦めてしまうのはもったいないでしょう。イギリスでは外観は古いままに内装をリノベートしているケースがほとんどです。築100年の歴史ある外観で、中はスーパーモダンということも多々あるので、しっかりと内見するようにしましょう。
このように各国の引っ越し事情を見てみると、その国ならではの特徴がわかるかと思います。日本の常識が通用しないことが多くありますが、その分、日本の引っ越し業者のありがたみが分かりますよね。
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