引越し先は大丈夫?感染予防対策をしているマンション、していないマンション
コロナウイルスの感染拡大が続く中、クラスターになりやすいとされる集合住宅では、コロナ対策の強化が進んでいます。今後、マンションなどの集合住宅に引っ越す際には建物内における「感染症予防対策」も物件選びの重要なポイントになっています。そこで今回はマンションなどの集合住宅における感染症予防対策について解説します。
コロナ禍において集合住宅に引っ越すのは気が引けるという人がいるかもしれません。とはいえ、一戸建てよりもマンションの方がコロナ感染の危険性が低いという面もあるようです。コロナ禍でのマンションに引っ越すメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
【メリット】
・駅近物件が多く、ステイホームしやすい
・管理組合による感染症対策や住民の予防意識が高まる
・テレワークに対応した設備や共用施設がある物件もある
【デメリット】
・エレベーターなど密になりやすい
・感染者が出た場合の対処が大変
・大規模になるほど対策が増える
多くの人が出入りするマンションでは今後も感染症対策は必須になりますが、NPO法人全国マンション管理組合連合会では、ウェブサイト等で「マンションにおける新型コロナウイルス対策」について常時発信を続けています。その中でも特に大事なのがマンションの共用部の消毒で、現在はほとんどのマンションで徹底されています。主なものは以下の通りです。
1.エントランスやエレベーターホール等にアルコール消毒液を配備する
2.エントランスなどの窓やドアはこまめに開けて十分な換気を行う
3.エレベーター内の換気扇を常時稼働させるなど機械換気を活用する
4.通常の清掃に加えて、ドアノブや手すり、エレベーターのボタンなど人が触れる部分をこまめに消毒
5.コンシェルジュカウンターに飛沫対策用のパネルなどを設置する
6.来客者名簿の設置とボールペンの消毒
集合住宅では1人でもコロナ対策を遵守しない人がいると、一気にクラスターが発生するかもしれません。そのため、マンションの管理組合では居住者に対してコロナ対策を徹底してもらえるよう注意喚起していくことで感染拡大を防ごうとしています。居住者に徹底してもらいたいコロナ対策は主に以下のようなものがあります。
・普段から手洗い、うがいを習慣づける
・マンション内であっても自宅の外(共用部など)ではマスクを着ける
・廊下などではソーシャルディスタンスを保つ
・エレベーターでは密にならないよう、パスするなど工夫する
大規模なマンションとなると、管理組合による総会や理事会が開かれます。管理組合総会は法律上、年に1回以上開催することが定められています。しかも非常事態宣言やまん延防止措置などが繰り返し発令される昨今においては、その対応のために臨時総会や理事会を開く必要が出ています。総会や理事会はWeb会議ツールなどを使って開くケースも増えているほか、自宅から投票できるようなリモートでの決議権を有効にするなどして対処しています。
これだけ感染対策を徹底していても、住人がマンション外部で感染してしまう可能性があります。一番気がかりなのは、マンション内の住人に感染者が出た場合にどう対処するかということではないでしょうか。
特に問題となるのは、感染者が出た際の報告です。法律上、感染者はマンションの管理会社に報告する義務はないばかりか、感染者本人が管理会社に報告する前に病院や宿泊療養施設に隔離されるケースもあります。そのため感染者が出ても管理会社が把握できない可能性があります。これは住人の健康はもちろん、感染者のプライバシーにも関わる重大な問題です。
このことから、管理会社が各自治体と連携して対応するケースが増えています。
例えば、神奈川県川崎市の「パークシティ溝の口」では、マンション内に対策本部を設け、感染者が出た場合には医師の指導を受けることになっています。感染者が自宅待機となる場合には、外出を控えるよう要請した上で、自治体と連携して以下のような対応をとっています。
・本人または家族に感染したことの連絡を要請
・感染者が発生したことを居住者に通知
・共用部の消毒のための事業者の手配
・感染者・濃厚接触家族への生活支援などの準備(自治体に要請)
いかがでしたか?このように多くのマンションでは徹底したコロナ対策を取っていますが、すべてのマンションがコロナ対策を万全にしているというわけではありません。
マンション内でコロナ感染者が出たら、管理会社の社員を守るために管理業務を一部停止する場合もあるようです。そのため、管理会社に頼るだけではなく住民全員が協力し合い、感染拡大防止に努めているマンションに引っ越したいものです。引っ越し先を探す際には現在の感染対策の状況にも目を配りながら内見しましょう。
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