キャンプ好きがこうじて山を購入!山に引越す手順を教えます
日本オートキャンプ協会によれば、2019年時点でのキャンプ人口は7年連続で増加し、860万人を超えたといいます。近年では、一人で楽しむソロキャンプや手ぶらでも贅沢なキャンプが楽しめるグランピングなど、楽しみ方のバリエーションも広がっています。
そんな中、キャンプ好きがこうじて、自分の山を購入して家を建て、「山に引越す」という人も増えてきているようです。実際に山を買って引っ越すには、どのような手順・手続きが必要なのでしょうか。今回は、山に住むための手順と注意点について紹介します。
不動産の購入と同じように山に住むには、まずは物件探しが最初の作業となります。とはいえ、「山の物件」をどう探せばいいのかが分からないという人も多いのではないでしょうか。山の物件の探し方には主に3つあります。
●地元の不動産業者を訪ねる
住宅物件と同様、山も不動産業者と契約することがほとんどです。そのため、希望する地域の不動産業者に直接足を運ぶことで、物件情報を仕入れることができます。直接不動産業者を訪ねることで、上手に山主さんにつないでくれることがあります。
●山林売買サイトから探す
山を売却したい人と購入したい人をつなぐ、山林売買マッチングサイトがあります。例えば「山林.net」や「山いちば」、「山林売買net」などです。日本全国の物件を探すことができるので便利ですが、サイトに登録されていない物件も多いので、やはり現地に足を運ぶことが重要となるでしょう。また、農林水産省の外局である林野庁のサイトでは、山の競売情報が掲載されていることがあります。
●森林組合を訪ねる
森林組合は、森林所有者が組合員となって組織されている協同組合です。主に森林の保全や管理、林業に関わる事業を行っており、市町村・郡の森林組合のほか、都道府県森林組合連合会(県森連)、全国森林組合連合会(全森連)で構成されています。
森林組合の中では、山林購入の相談ができる場合もあるので、希望物件の最寄りの森林組合に聞いてみると良いでしょう。各地域の森林組合は全森連のホームページ内の「都道府県森林組合連合会一覧」から調べられます。
山に自分の自宅を建てるには、山を購入しなければいけません。山を購入する流れは、まず物件資料を取り寄せて現地をチェックし、その物件が気に入れば不動産を購入する場合と同様に契約を行います。契約が締結したら、司法書士に登記変更を依頼し、約1~2週間で自分の名義となります。
【山林を購入する主な手順】
1.山林仲介サイトや不動産業者、森林組合などで物件を探す
2.購入したい山林物件の資料を取り寄せる
3.現地に赴き、山林の状態を確認(地形や樹種の調査や接道の有無の確認など)
4.購入を決めたら、申込金を支払い、買付証明書を提出
5.引渡し日を決定し、必要な書類の準備を始める
6.残金を支払うと引き渡しが完了
7.不動産取得税の支払いと所有者届出の提出
同じ不動産とはいえ、マンションを買うのと山を買うのとではかなりイメージが違います。不動産業者を通じて自由に山を売買していくことができますが、注意したい点は、基本的に山を1つまるごと購入するという買い方ではないこと。山1つに対して地権者が複数いるのが通常で、約6000坪単位で販売されていることが多いようです。
また、その山林が「市街化調整区域」に指定されている場合は、家などの建物を建てることができません。さらに、農林水産大臣または都道府県知事によって指定された「保安林」というものがあります。保安林の区域内では建物を建てることはもちろん無許可で森林の伐採を行うこともできません。
実際に山を購入するとなると、購入費用だけではなく各種税金も気になるところです。山林購入では、維持費として住宅購入時と同様に「固定資産税」と「不動産取得税」がかかります。ただ、山林の場合、固定資産税は住宅に比べて安く、個人が購入する一般的な規模の山林であれば年間数千円~数万円程度です。また、保安林の場合は、固定資産税そのものが不要となる場合もあります。
山林を売買する際には、立木にかかる「山林所得税」、土地にかかる「譲渡所得税」が必要となります。立木は伐採・加工して販売できるため、税務上の資産とみなされることを念頭に置いておきましょう。
無事、山を購入し家を建てるとなれば、電気や水道、ガス、インターネットといったの生活インフラは全て自分自身で整備する必要があります。インフラがすでに整備済みの土地であれば問題はありませんが、各インフラ設備の配管がどこまできているかなど、整備状況をしっかりと確認することが必要です。
もし、自分で整備しなければいけない山に家を建てるには、地目を「山林」から「宅地」等に変更し、統括する自治体に開発の許可をもらう必要があります。仮に開発許可が出ても、水道、電気、ガスについては近くの配管より引き込みを自費で行わないといけないので、山林の購入前に費用がどれくらいかかるのかについても調べておきましょう。
定住しない場合には、ガスはプロパンガス、電気は発電機やソーラーパネル、水道は井戸を掘って対応することも可能です。
インターネットについては固定回線を引く工事費が高くつきそうなら、モバイルWi-Fiルーターなどを使うことで対応できます。クラウドSIM採用のモバイルWi-Fiであれば、au、ドコモ、ソフトバンクの3キャリア回線を使い回せるため、その土地に合った回線を利用でき山地でも繋がりやすくなっています。
いかがでしたか?山に住むための手順を紹介してきましたが、実際に山に引越す際のイメージができたでしょうか。
山に住むための最大ポイントは、住宅の引越しと同様、物件選びです。現在は、利便性と自然の豊かさのバランスを考えて、都市部から車で1時間半程度のところが人気となっているようですが、地方人口の高齢化や後継者不足で、安価でも売却したいという山主さんも増えてきているようなので、上手に探せば掘り出し物の物件も出てくるかもしれません。
知りたい!シチュエーション別&特殊な引越しマニュアル
- 知りたい!シチュエーション別&特殊な引越マニュアル まとめ
- 入学時の引っ越し
- 卒業・就職時の引越し
- 結婚時の引っ越し&エピソード
- 小さなお子さんがいる場合の引っ越し
- ペットの引っ越し&エピソード
- ピアノの引越し&エピソード
- 車・バイクの引越し&エピソード
- 人形・ぬいぐるみの引っ越し
- お仏壇の引っ越し
- 入学、入社、結婚、出産。ライフイベントにおける引越しで大切なこと
- 今、注目されています。都心のお墓へお引越し
- 引越しする時の新しい考え方?「二拠点生活」「多拠点生活」というスタイル
- 参勤交代こそ江戸時代のお引越し?意外と知らない引越しに関する歴史
- ペットと暮らしたいからお引越し!ペット可物件、ペット共生物件のことを知っておきたい
- 事業を始めるなら、引越し先は「事務所可物件」「店舗可物件」を選ぶ?借りる前に知っておきたい基礎知識
- こんなにも違う!日本と世界の引越し事情【アメリカ・ドイツ・オーストラリア編】
- 日本の引越し業者ってすごいかも。こんなに違う世界の引越し事情【イタリア、インド、韓国編】
- 次に引っ越すなら、地方への「移住」を検討したい。日本の移住先で人気の地域とは?
- 憧れの海沿いの家に引越し!そのメリット・デメリットとは?
- 日本の引越し業者すごいかも。こんなに違う世界の引越し事情【中国、ブラジル、イギリス編】
- 地方移住を決意してお引越し。空き家を購入する時の注意点とは
- 日本の引越し業者すごいかも。こんなに違う世界の引越し事情【タイ、トルコ、フィンランド編】
- 次の引越しで実現したい!モノを持たないミニマリストの暮らし
- 日本の引越し業者すごいかも。こんなに違う世界の引越し事情【メキシコ、フィリピン、スペイン編】
- 日本の引越し業者すごいかも。こんなに違う世界の引越し事情【南アフリカ共和国、シンガポール、ペルー編】
- 子育てを意識して引越しを決意する。「子育て移住」の考え方
- 高齢者が賃貸物件に引越しする際に注意したいこと
- 韓国でも話題の「半地下物件」に引越してみたい?そのメリットデメリットは?
- 仕事で海外への引越しが決定。コロナ禍で必要な海外引越しの手順とは?
- キャンプ好きがこうじて山を購入!山に引越す手順を教えます
- 引越し先は大丈夫?感染予防対策をしているマンション、していないマンション
- 賃貸なら夢が叶う?「一戸建て賃貸」に引越すメリットとデメリット
- コロナ禍でオフィス再編。オフィスの引越しで注意すべきこと
- 次の引越しで一戸建てを検討中。でも世界的な「ウッドショック」でどうなるの?
- 老後を考えてお引越し。都会暮らしと、田舎暮らしどっちがおすすめ?
- 憧れの田舎にお引越し。古民家をリノベーションする時の注意点とは?
- 初めての一人暮らしでお引越し。その前に!トラブルにならないよう賃貸借契約を理解する
- 一軒家への引っ越しを考えるなら、知っておきたい「スモールハウス」の未来
- 引越しが楽しみになる!? 引越し・新生活をテーマにした映画
- 次に引越しするなら昭和レトロな物件で、落ち着いた生活がしたい
- 家族で引越しする時に知っておきたい。バリアフリー物件のチェックするポイント
- 引越しを考えるなら、ゴミ置き場と掲示板をチェック!見落としがちな賃貸物件のチェックポイント