敷金・礼金だけじゃない!
賃貸物件に引越しした時にかかってくる初期費用まとめ
賃貸物件などへ引っ越しする際に必要なお金と言えば敷金や礼金。このお金だけ支払っておけばひと安心と思っていませんか。引越し準備資金としては、敷金や礼金以外にも意外と見落としがちな費用がいろいろとあります。
今回は引越し時にかかってくる、さまざまな初期費用について紹介していきます。
賃貸物件契約の際には、火災保険への加入が求められます。賃貸契約の書類に記入する際に、同時に火災保険へ加入するので、これまであまり気にしてこなかったという人はいるかもしれません。
火災保険は必ず加入しておきたい項目ではありますが、法的な義務はありません。ただし、加入しないとなれば、不動産仲介業者や大家さんは安心して貸すことができないため、入居を断られる可能性もあります。
火災保険の補償で一番わかりやすいのは、万が一賃貸物件で火事が起きた時の補償ですが、落雷、爆発、水害、水漏れなども対象となるのが一般的で、建物の損害以外にも自分の財産(家財)などを守るために必要な保険でもあることを覚えておきましょう。
賃貸物件で加入する火災保険は、2年契約で1〜2万円が一般的と言われていますが、補償内容や保険料金などについて不満がある場合にはご自身で検討しても問題ありません。賠償額や保険料を検討したい人は、大家さんや仲介業者に一度相談してみましょう。
賃貸物件を契約する際に、「町内会費」が計上されていることがあります。
町内会というと、ご近所さんとの付き合いなどを想像してしまい、面倒だなぁと思う人も多いかもしれません。町内会は、公的に定められたものではないので、実際に加入する義務はありません。
近年では自治体のホームページなどで近隣の情報を手にいれることができるので、回覧板の慣習も少なくなりました。しかし、町内のゴミ集積所の管理は町内会が行っていることが多く、町内会に加入していない人でも、ゴミを出す権利はありますが、勝手に利用しているみたいで心情的にゴミを出しづらくなるものです。
町内会に参加することで近隣住民と顔見知りになっておけば、防犯にもつながりますし、万一災害が起きた場合には、炊き出しや助け合いなど、お互いが助けやすくなります。そういう意味では、今も昔と変わらず、町内会に参加することは、重要な社会活動の一つと言えるでしょう。
引越しの初期費用として「鍵交換費用」を請求される場合があります。
なぜ鍵を交換しないといけないかと言えば、もし、鍵を交換しなければ、以前に住んでいた人が鍵のスペアを勝手に作っていた場合、侵入されるケースが考えられるからです。
鍵を交換せずに盗難などの被害に遭った場合は貸主に責任が問われるので、鍵は毎回交換することになります。そのため、鍵の交換費用が必要となるのです。鍵は借り主が管理するものなので、借り主が負担するケースがほとんどです。また、鍵を紛失した場合などの対応は貸主がすることになるので、その費用も借り主が負担することになっています。
自動車を停める駐車場が有料というのは多くの人が理解していますが、駐輪場は無料のところと有料のところがあるので注意したいところです。特に分譲賃貸マンション等では、駐輪許可のシールを購入する際に費用がかかる場合もあります。自転車を停めるにも月額費用がいるという気持ちで初期費用を用意しておくと良いでしょう。
賃貸物件から引っ越す際に、お部屋を現状復帰させるために消毒やクリーニングの費用が必要というのを聞いたことがある方も多いでしょう。
実はこの費用は入居時に前もって徴収されることがほとんどです。退去時には「原状復帰」といって、元の状態に近い状態で退去しなければいけないという規定があります。もし、入居後に建物や設備の損壊などがあった場合には敷金などから差し引かれます。それとは別に退去後、業者が来て部屋をクリーニングする決まりがあります。この業者をわざわざ自分で呼ばなくても仲介業者や大家さんが代わりに発注してくれる制度が入居時のクリーニング費用です。
このほかにも、タワーマンションなどの分譲賃貸ではコンシェルジュ費用が共益費に上乗せされていたり、連帯保証人が立てられない人が保証会社に支払う家賃保証会社利用料など、種類によってはまだまだ初期費用がかかる場合があるので、金銭的にも余裕を見て引っ越し準備をしましょう。
引っ越しの初期費用の目安は、全体で「家賃の5ヶ月分」と言われています。後々、大変な思いをしないためにも、初期費用の目安を把握してから引越し準備を進めるようにしましょう。