おもしろい形の集合住宅に引っ越してみたい。「テラスハウス」「タウンハウス」ってどんな共同住宅?
引越しを検討中で賃貸の集合住宅を探している時に目にする「テラスハウス」という集合住宅。一戸建てのような集合住宅とも言える「テラスハウス」にはどのような特徴やメリットがあるのか、似たような形態の「タウンハウス」とともに紹介します。
「テラスハウス」はTV番組の影響もあって「シェアハウス」のように感じている方も多いかもしれませんが、正式には形態が違います。
テラスハウスとは、集合住宅のひとつであり、2つ以上の低層住宅を1棟に連ねたもので、それぞれ外部への出入口を有しているものを指します。複数の住戸が隣の家と壁を共有しているので、建築基準法においては「長屋」に該当します。
大きな特徴としては、各住戸が集まってひとつの建物にはなっているものの、それぞれに割り当てられた敷地も含めて所有権が独立していることです。
タウンハウスは、2つ以上の低層住宅を1棟に連ねたもので、それぞれに出入口を有しているため、見た目はテラスハウスとほぼ変わりません。性質上は似ていますが、敷地は共有となる点が大きな違いです。エントランスが住戸ごとに分かれている分譲マンションのようなイメージとも言えますが、建築基準法ではタウンハウスも長屋に該当します。
簡単に違いをまとめると、「テラスハウス」は敷地も含めて単独所有、「タウンハウス」は住戸のみ単独所有で敷地は共有、ということになります。
テラスハウスは、一戸建てと集合住宅の利点をバランス良く活かせるのが大きなメリット。引っ越しを検討する際のポイントになるのでメリットを良く理解しましょう。
●メリット1;戸建て感覚の住み心地
テラスハウスは一戸建てに引っ越した感覚で暮らせるのが大きな特徴です。マンションやアパートのように上下階に人がいないため、上下の音を気にせずに暮らせます。子どもの足音や椅子を引く音、物を落としたときの音など、上下階の音を気にする必要がないのはメリットといえます。
●メリット2:一戸建てより賃料や価格が安い
複数の一戸建てを建てるよりも、複数の住戸を一つの建物として建築したほうが、コストは大きく削減できます。住戸が一体化していることで、壁などに使う建材や配管・配線なども省略でき費用を減らせます。 「テラスハウス」は、賃貸でも建売でも、通常の一戸建てに比べると金額は比較的安く設定されているので、費用を抑えつつ一戸建て住宅のような生活を送れることはメリットです。
●メリット3:専用の庭や駐車場がある
テラスハウスでは、住戸ごとに庭や駐車場があるのが特徴です。自宅周りを柔軟に利用しやすく、庭に洗濯物を干したり、子どもを遊ばせたり、ガーデニングを楽しむことも可能。玄関の目の前に駐車場がある場合、大きな荷物もスムーズに玄関まで運べて、出入りがしやすいという利点もあります。
●メリット4:定期的なメンテナンスがある
一つの建物を居住者で共有するテラスハウスでは、管理組合が結成され、建物自体の管理やメンテナンスに住民全員が参加することになります。そのため、マンションなどと同じように管理費や修繕積立金が毎月発生するのが一般的です。
一戸建ての場合も、壁や屋根などのメンテナンス費用がかかりますので、同じコストを支払うのなら、手間をかけずに維持管理を行ってくれる点がメリットといえます。また、隣の住戸と壁がくっついている状態なので、床面積が同程度の一戸建てに比べて一戸当たりの壁や屋根などの面積が少ない分、メンテナンス費用が抑えられる傾向にあります。
テラスハウスは、集合住宅と戸建住宅の両方の特徴があるからこそ、気を付けておきたい部分もあります。引越しを決める前にデメリットも把握しておくことが大切です。
●デメリット1:そもそも物件数が少ない
一般的な一戸建てやアパート、マンションと比べると珍しい形態の集合住宅なので、そもそも物件数自体が少ない傾向にあります。場合によっては住みたいエリア内では、条件に合うテラスハウスが探せないケースも。ある程度立地や設備などの条件を変えるなどして、物件を探す方が良いかもしれません。
●デメリット2:隣の音漏れに心配がある
壁を共有しているテラスハウスは長屋のような構造のため、どうしても隣の家の生活音が気になってしまうもの。快適に暮らすためには、窓を開けたまま大きな声を出さないようにしたり、遮音カーテンを用いるなど、防音対策を行うことが大切です。
●デメリット3:集合住宅としてのルールがある
敷地や住戸の所有権が分かれているとはいえ、1棟にいくつもの世帯が入居する点では、集合住宅と変わりません。集合住宅として他の世帯との関係性を考えることが必要になりますし、ゴミ出しや掃除など、日常生活上のルールが設けられるケースも多いので、事前にしっかりと確認しておきましょう。
●デメリット4:マイホームの場合は建て替えが厳しい
マイホームとしてテラスハウスの住戸を買った場合、大規模リフォームはもちろん可能ですが、壁を共有しているので、建て替えが難しいという一面もあります。建物からの切り離し工事や配管の引き直しなどが発生するうえに、土地の条件次第では、再建築ができない可能性もあります。また、ガス管や水道管の権利関係も複雑になりやすいため、大規模な改築には困難が伴うことを覚えておきましょう。
「テラスハウス」の特徴をご紹介しましたがいかがでしたか? 一戸建てと集合住宅の両方の利点を活かせる「テラスハウス」ですが、だからこそのメリットとデメリットが存在するので、ライフスタイルと照らし合わせながら引っ越し先として検討するようにしましょう。
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