
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響から、時間や場所にとらわれないテレワーク(リモートワーク)が急激に浸透しています。テレワーク(リモートワーク)の普及により、わざわざ家賃が高くなる都心部に住む必要がなくなった人が増え、引っ越しの希望条件も様変わりしつつあるようです。
そこで今回は、様変わりし始めている「引っ越しの条件」について考察します。

テレワークとは、インターネットなどの情報通信技術を駆使して時間や場所にとらわれずに働くことで、「働き方改革」が促進されるようになったころから都心部では浸透しつつありました。新型コロナウイルス感染症の影響もあって、2020年3月ごろからはテレワークで働く人が急激に増加しています。
東京都の統計によれば、従業員30人以上を抱える都内の企業によるテレワークの採用は、緊急事態宣言が発出された3月から4月にかけて38.7ポイント(2.6倍)も増えました。(参照)
3月、4月は引っ越しピーク時期でもあるため、テレワークを意識する人が増えたことで「引っ越しの希望条件」についても変化が起きているようです。

引越し先を探す時にはさまざまな希望条件があると思いますが、その中でも常に上位に入るのが「駅チカ物件」です。しかし、テレワークが浸透してきた現在では、職場に行く回数が減ってきているため、駅チカ物件にこだわる人が減ってきていると考えられます。駅から遠くても閑静な場所にある物件を選んだり、自分の仕事部屋を確保するために間取りの広い家に引っ越したりする傾向にあります。これに加えて、趣味も充実させてワークライフバランスを整えようとする人も増加傾向にあり、「駅から近い」というのが必ずしもメリットとは言えないようになってきました。
例えば、子どもたちを自然豊かな環境で育てるために田舎暮らしを始めた家族や、ペットのために自然公園の近くに引っ越す人、趣味のサーフィンと仕事を両立させるために海辺の街に引っ越す人など、テレワークをきっかけに生活様式を変えることが可能になっています。
また、コロナウイルスの感染防止のため、自宅にいる時間が増えたことで自宅での時間を快適に過ごしたいと考える人も増えているようです。例えばDIYを楽しみたいが、騒音が気になるので郊外の一軒家に引っ越す人、憧れだったアイランドキッチンにしたいので、リフォーム可能物件に引っ越して思い切り料理を楽しみたい人たちです。このように「お家時間」をより楽しむためには、駅チカ物件よりも郊外の物件の方が、より実現しやすくなるでしょう。

テレワークが浸透することで、居住費や生活費をグッと下げることに成功する人もいます。都心部においては、家賃や地代が高いことは周知の通りです。
例えば、東京都港区で1LDKの家賃は24万円が相場と言われています。同じ東京都でも郊外の青梅市なら、同等の間取りでも家賃相場は6万円程度とかなり格差があることが分かります。テレワークが可能な場合、郊外に引っ越せばこれまでの家賃をグッと下げられそうです。
また、生活費においても、郊外に引っ越せば都心部と比べると概ね物価も安くなります。食費などはもちろん、駐車場代なども安くなるのは大きいです。さらに、テレワークによって通勤する機会が減れば、通勤費用も削減できるかもしれません。

家族をもつ人がテレワークを機に引っ越しする場合、重視したいのが、「自分の仕事部屋」です。テレワークではリモート会議も頻繁に行われますが、リビングや寝室でリモート会議を行うとなると、生活音や子どもたちの声などが気になってしまいます。そういった理由から、仕事部屋として使える部屋がほしいと考える人が増えており、「書斎」付きの物件なども人気となっているようです。
また、最近は、共有施設としてコワーキングスペースが設置されているマンションも登場しています。

テレワークを機に引っ越す人が増える中、新しい生活スタイルを始める時に揃えたいアイテムにも変化が見られています。これまでの生活用品に加えてテレワークを始めるのに必須のグッズがあるので紹介します。
●パソコンとインターネット(Wi-Fi)
自宅でスマホやタブレットだけしか使っていないという人はパソコンとWi-Fi環境を整えると良いでしょう。
●ITビジネスツール
「Zoom」などのビデオ会議ツールや「Chatwork」などのビジネスチャットツール、「Googleドライブ」などのクラウドストレージは必須となるでしょう。
●パソコンデスク・チェア
長時間パソコンに向かう場合もあるので、疲れにくいパソコンデスクとチェアも必須アイテムと言えます。
●ヘッドフォン
家族の生活音や子どもたちの騒ぎ声などで仕事に集中できないという場合は、ヘッドフォンをつけて仕事する人が多いようです。
テレワークが社会に浸透してくると、引っ越しの条件も変わってくることが分かりました。特にコロナウイルス感染症の影響によって、テレワークに加えて、余暇も自宅で過ごすという人が増えているため、住居選びはこれまで以上に重要になってきていると言えるでしょう。
テレワークをきっかけに引っ越しを考える人は、もう一度、希望条件について考え直してみると良いかもしれません。
