女性が一人暮らしをする際、ぜひとも心得ておきたいのが「防犯対策」です。
現在ではセキュリティのしっかりした物件も多くありますが、女性を狙う犯罪にはさまざまなものがあり、気を緩めてしまうといつ被害に遭うかわかりません。そこで、引っ越す際の物件選びはもちろん、具体的な対策、防犯グッズについてもご紹介します。
「女性を狙った犯罪」と聞くと、色情目的のものを思い浮かべがちですが、必ずしもそうではありません。警察庁が発表した犯罪認知件数78万7929件(平成28年)のうち、女性の認知件数は26万0171件となっており、犯罪の種類では、「窃盗」が17万6478件で全体の約68%にも上ります。つまり女性を狙った犯罪の多くが「物を盗る」犯行となっています。
また、ストーカー件数は2018年まで5年連続で2万件を超すなど、年々増加傾向にあり、9割が女性被害者となっています。
引っ越し先を決める物件選びでは、お部屋の中だけでなく防犯設備がちゃんと整っているかを確認しましょう。ここでは、チェックすべきマンションの防犯設備ついて紹介します。
●オートロック
エントランスはやはりオートロック付きのセキュリティ・ゲートとなっている物件がオススメです。
誰でも侵入できるようなマンションよりは安全性がアップします。
●防犯カメラ
防犯カメラの有無もチェックします。窃盗犯の被害確率はやはり防犯カメラがあるかないかで大きく変わってきます。できればエントランスやロビー、エレベーターまで、しっかりと複数の防犯カメラが設置されているかをチェックしましょう。
●耐ピッキング性能の鍵
セキュリティのしっかりした物件では、防犯性の高い鍵が使われています。使用されている鍵が、マグネットシリンダーやピンシリンダー、ディンプルシリンダーなどの耐ピッキング性能の高い鍵が使われていることを確認しましょう。
●TVモニター付きインターフォン
モニター付きのインターフォンは珍しくありませんが、リノベーションしたタイプの物件にはついていない場合があるのでご注意を。近年は宅配を装った強盗や詐欺といった犯罪が増えていますので、業者が来た際にも安易にドアを開けたりしないよう慎重に対応する必要があります。
●できる限り1階・2階は避ける
窃盗や空き巣被害の半数近くが、1階や2階といった侵入しやすい部屋で起きています。そのためできれば3階以上の部屋に引っ越すのがおすすめです。1階、2階にどうしても引っ越さないといけない場合は、サッシや鍵などがしっかり閉められるか、侵入しやすい経路や足場になるものがないかなど、入念にチェックしましょう。
●ベランダに洗濯機
アパートなどの格安の物件ではベランダに洗濯機を置く物件があります。洗濯機を外に置くことで、ベランダに出る機会が増え、女性が住んでいることが犯罪者にわかりやすくなってしまいます。洗濯機はできるだけ室内置きの物件にしましょう。
物件の防犯対策が不安という場合でも、自分で実行できる防犯対策もあります。ここでは、簡単にできる防犯対策を紹介します。
●一人暮らしだと思わせない工夫
犯罪者は「一人暮らしの女性」を狙うことが多いため、一人暮らしではないとわかるようにする工夫をすると良いでしょう。例えば、「男性用の下着や服を一緒にベランダに干す」や「表札には兄弟や友人の名前などを仮に貼っておく」「男性が好みそうな色のカーテンをつける」ことで防犯の可能性が高まります。
●郵便受けは鍵付きで毎日チェックする
郵便物には、公共料金の支払書など個人情報を特定できるものが多いため、犯罪者は郵便物から本人を特定しようとすることがあります。そのため、郵便受けには必ず鍵を付け、毎日郵便物を取り個人情報が盗まれないようにしましょう。
●玄関のドアはツーロックに
玄関のドアの鍵が2つあることで大幅に空き巣を撃退できる可能性が高まります。ピッキングには時間がかかるので、2つ鍵があるだけで諦める可能性が高まるからです。
●窓には補助錠を付ける
オートロックのマンションであっても、1階などの低層階の物件では窓から侵入される可能性があります。そこで、窓に補助錠を付けることで防犯性が高まります。3階以下に住んでいる人は補助錠を付けるようにしましょう。
●宅配ロッカーやロッカーサービス
近年はアマゾンなどのネットショップで購入することが多くなったことで、宅配業者を装った犯罪が増えています。女性の一人暮らしの場合には、業者であってもドアを開けるのが怖い時代になってきました。そこで、宅配ロッカーのあるマンションや、再配達を減らすためのロッカーサービス利用する人が増えています。
女性の一人暮らしは何かと危険と隣り合わせ。自宅内と併せて、外出時にも防犯意識を持っていたいところです。ここでは、女性向けの防犯グッズについて紹介します。
●防犯ブザー・携帯サイレン
外出時にもっておきたいのが防犯ブザー(携帯サイレン)です。大きな音を発することで犯罪者はひるみます。夜道の独り歩きや自宅周辺に人気が少ない場合には携帯しておくと良いでしょう。
●防犯アラーム
こちらは室内に設置するアラームです。窓を破って侵入した際に大きなアラームが鳴るので、大きな被害を出さずにすみそうです。
●窓ガラス防犯フィルム
防犯フィルムを窓に貼ると、窓ガラスの強度が高まり、犯罪者は侵入しづらくなります。
●サムターンカバー
玄関のドアは一番防犯に気をつけたいもの。サムターンカバーとは、ドアの鍵のすぐ横に小さな穴を開けて針金を使って施錠を解除しようとする「サムターン回し」という犯罪を防止するためのカバーです。鍵の部分にカバーをかけることで鍵を回しにくくします。
●催涙スプレー
実際に犯罪者と対峙してしまった場合には、護身グッズが必要な場合もあるでしょう。その中でも女性が一番使いやすいのが催涙スプレーです。スプレーと聞くと至近距離じゃないと効かないのではと思う方もいるでしょうが、実際には3メートルほど離れていても効きます。また誤噴射にならないように安全ロックが付いています。噴霧された相手は一滴でも目に入ると激痛で起き上がれず、その持続時間は2~3時間と長く、正しく噴霧すれば身の安全を守ることができます。
いかがでしたか? さまざまな防犯対策がありますが、まずは自分の身は自分で守るという意識を持って普段の生活から犯罪に巻き込まれないように意識しておくことが必要です。
詐欺や窃盗は巧妙です。特に、一人暮らしの女性は狙われやすいので、引っ越しの際は注意しましょう。
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