
マンションなどに引っ越す場合、気にはなっているものの「契約書」や「規約」をじっくりと目を通しているという人は少ないようです。普段はあまり気にしない規約やルールですが、知らないままだとトラブルを招いてしまう場合もあります。
ここでは、賃貸マンションによくある主なルールについて紹介します。

マンションの規約でよく見かける「共有部分」と「専有部分」。この言葉の正しい意味をご存知でしょうか?
専有部分とはいわゆるマンションの所有者が自分のものとして所有しているスペースのことを言います。簡単に言えば「住戸」の部分ということになります。これには天井・床・壁など囲まれた「部屋の内部」を指します。
一方、共有部分とは、その専有部分以外すべてのスペースを指します。つまり自分の部屋以外のスペースはすべて共有部分ということになります。具体的には、エントランスホール、共有廊下、エレベーターホール、カーパーキングなどがありますが、これは皆さんもご存知のことでしょう。しかし、専有部分は部屋の“内部”を指しているため、自分の部屋のバルコニーやベランダは「共有部分」となるのです。そのため、物件によってはバルコニーやベランダに自転車を置いてはいけないなどのルールがあります。これはベランダなどが緊急退避経路となるからです。
●共有部分での主な禁則事項
- 共有廊下での駐輪:原則、自転車置き場以外での駐輪は禁じられています。
- バルコニーやベランダに物置や観葉植物を設置すること:ベランダやバルコニーは緊急時の避難経路となるため基本的に物を置いてはいけません。
- バルコニーやベランダの手すりに布団などを干すこと:バルコニーやベランダは共有部分であるため、布団などを干すことを禁じているマンションが増えています。高層マンションの場合は布団等が落下する危険性もあるため禁止している場合がほとんどです。
- 共有部分での喫煙:喫煙については年々厳しくなる傾向にありますが、基本的にバルコニーやベランダでの火器の使用、喫煙は禁止されています。
マンションなどの集合住宅の場合は、みんなが気持ちよく住むために「管理規約」というのを設けています。管理規約はマンションの使用や管理について決められたルールで、マンションの中で重要な規約となります。
例えばマンションの共有部分と専有部分の役割が決められているほか、管理組合の運営方法および業務内容、集会についても書いてあります。さらに、管理費や修繕積立金の使用について明示されているなど、そのマンションに住む人たちと管理者の両方について細かく決められています。これは区分所有法に則って書かれており、いわばマンションの公式ルールということになります。そのため、住人だけではなく、オーナーも守らなければなりません。

使用細則とは、管理規約をより詳細に書いたものです。マンションなどでの共同生活を円滑にするために決められたルールですので、必ず読むようにしたいところです。内容は細かく、例えば「楽器や音楽は夜10時を超えて鳴らしてはいけない」や、「犬や猫のペットを飼育するのは禁止だが熱帯魚や小鳥はOK」、ゴミの出し方についてなど、より具体的な内容になっています。また、使用細則にも関わる管理規約が改定されると、使用細則も同時に改定されるので、管理組合からの連絡にはなるべく目を通すようにしましょう。
上記で紹介した管理規約や使用細則は、区分所有法という法律をベースに作られています。マンションにおける共同生活を円滑にするほか、住人の財産を守るための法律で、管理規約などの改廃についても規定しています。管理規約は特別決議(区分所有者および議決権の各4分の3以上)で決議され、使用細則は普通決議(各過半数)で決議されます。
普段暮らしている中で、あまり気にしていない「管理組合」の存在。実は、管理組合とはマンションの所有者全員で結成されます。つまりマンションの部屋のオーナー全員ということです。管理組合はマンション管理に関してさまざまなことを決めるために、集会を開いたり、規約を定めたり、管理者を誰にするのかといった活動をしています。つまり、この管理組合が円滑に活動されているマンションは住みやすいマンションということも言えるので、引っ越しの際には少し気にかけておくと良いでしょう。
普段は住人それぞれのモラルによって成り立っているマンションでの生活ですが、マンション単位で考えると共同生活として成り立っている部分があります。住人一人一人が管理規約や使用細則を改めて読み返すことで、より良い住空間を築くことができるはずです。ぜひ、一度じっくりと読む機会を作ってみましょう。
