キレイにリノベーションしてあるから何も問題なし?リノベーション物件に引越す際に注意したいことまとめ
新築マンションの価格高騰により、分譲でも賃貸でも、新築よりも価格や家賃が安く設定された中古マンションに住むという人が増えているようです。中古物件といえども、近年はリノベーション技術の進歩やDIYブームによって、「キレイならそれほど抵抗感はない」という意見も多いです。
とはいえ、中古物件は本当にメリットが多いのでしょうか?
そこで、今回は中古物件に引っ越す前に考えてほしい注意点を探ってみましたので、これから引っ越しを考えている人はぜひ参考にしてみてください。
キレイにリノベーションされた中古物件なら、一見何も問題はなさそうですが、見えない部分に欠陥を抱えているケースもあります。そこで、知っておきたいのが、「瑕疵担保(かしたんぽ)責任」です。
瑕疵担保責任とは、物件を売買する場合や賃貸する場合、「目には見えない欠陥や不具合」についても売主は責任を持たなければいけないということです。この「目には見えない欠陥や不具合」のことを瑕疵(かし)といいます。瑕疵担保責任には主に以下のようなものが含まれます。
●シロアリ
シロアリは柱の内部など目には見えない部分に巣食い、建物の耐久性を悪化させるほか、建物だけでなく家財道具や植木などにも被害を及ぼします。
●雨漏り
天井からの雨漏りは分かりやすいですが、外壁から雨水がにじみ出たり、サッシの取り付けが悪く雨が吹き込んできたりする場合があります。
●配管の故障
配管も一見しただけでは故障が分かりにくく、実際に使用してから発覚するケースがあります。赤サビや濁りなどの水質はもちろん、配管自体が水漏れを起こしている場合もあります。
●水腐食
キッチン、風呂、トイレなどでは水漏れによって、木造部分に腐食が見られる場合があります。サビなども使用に問題が出る可能性があります。
●火災・水漏れ
自身の過失ではない火災や水漏れなどは当然、瑕疵です。
●心理的瑕疵
以前の居住者が自殺や殺人などで亡くなっていた場合も瑕疵です。
●周辺環境の悪さ・騒音
住んでみたら騒音がひどい場合や、近くに暴力団事務所があるなど。
このような瑕疵を事前に告知なく貸し出した場合や売却した場合などは損害賠償を請求されることになります。とはいえ、損害賠償を請求する住民側にも訴えるための時間やコストがかかってきます。そのため、「瑕疵保険」に入っておくと良いでしょう。
分譲マンションは、住宅ローンを組むだけでは購入できません。
管理費や税金などの他に、マンションの修繕費用があります。
マンションは建物の安全性を保つため、12年や15年ごとに大規模な修繕工事を行います。そのため、住宅ローンと同様に「修繕積立金」という費用を毎月支払うことになります。
新築マンションの場合はすぐに修繕する必要がないので修繕積立金は低く設定されている場合が多いですが、築年数の古いマンションになると修繕する箇所も頻度も増えてくるので修繕積立金が高く設定されている場合が多いです。また、中古の分譲マンションを購入した場合には、入居後数年で修繕費の追加徴収をされる場合があるため注意が必要です。中古物件を購入する場合は、次回の大規模修繕工事がいつ予定されているのか聞いておきましょう。
住まいを決める際に重要視される「耐震基準」。特に中古物件を購入する時、耐震性は非常に気になるポイントです。
1981年に改正された新耐震基準は、「震度5強くらいまでの中規模地震については軽い損傷程度、震度6以上の大規模地震でも倒壊は免れる」という強度が義務付けられています。
ただし、1981年以前に竣工した築年数の古いマンションにおいても、耐震改修・耐震補強を行っているマンションもあります。また、耐震性については、地盤にも留意してください。
●マンションが立地している場所の地盤
マンションの耐震性は建物の強度はもとより、地盤の強さが大きく影響することが分かっています。土砂崩れや液状化現象の可能性などについては国交省のハザードマップで確認しておくと良いでしょう。
国土交通省ハザードマップポータルサイト
https://disaportal.gsi.go.jp/
結婚や出産を機に、キレイにリノベーションされた分譲マンションに引っ越す方も多いことでしょう。
中古の分譲マンションの場合、長年のコミュニティが出来上がっていて、居心地の悪さを感じる場合もあります。共同住宅の場合は、周囲の人間関係についてもしっかりと調べておくと良いでしょう。
古くから住んでいる住民とのコミュニケーションや独特の雰囲気、暗黙の了解も意外と重要になるので、内見を昼と晩それぞれ行ったり、住民とコミュニケーションを取ったりしてみるのも1つの手です。
リノベーション済みのマンションを購入する場合は、新築マンションを買うときよりもいろいろとチェック項目があることが分かっていただけたかと思います。
中古物件に住む場合は、「修繕積立金」や「耐震基準」、「住環境」などをしっかりとチェックしてから契約に臨むようにしましょう。
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