引越しするなら、タワーマンションか、低層マンションか。それぞれのメリット、デメリットとは?
一口にマンションと言っても、都会にそびえ立つタワーマンションもあれば、郊外にある低層階のファミリータイプのマンションもあります。夜景が楽しめるようなタワーマンションに引っ越すのは1つのステータスであり、憧れの引越し先と言えるかもしれませんが、高層マンションにも、デメリットはあります。
そこで今回はタワーマンションと低層マンションのメリットとデメリットを紹介して比べてみます。
「タワーマンション」と聞くと、都会にそびえ立つ高層マンションを思い描きますが、高層マンションとタワーマンションはどう違うのかご存じでしょうか?
実際のところタワーマンションと呼ばれるマンションに明確な定義はありません。しかし建築基準法や消防法に照らし合わせると、60メートルを超える建物を「超高層建築物」と呼ぶのが通例となっており、このことから60メートル以上のマンションを「タワーマンション」と呼ぶようになりました。
60メートルはマンションで言うと、おおよそ20階建ての高さに相当します。高さ60メートルを超えると建築基準法による耐力などの条件もかなり厳しくなり、建てるのに大きな費用が必要となるため、家賃なども高くなります。そのため、高級感のあるマンションが多いのが特徴となっています。
タワーマンションに引っ越すとなれば、やはりその高級感を堪能したいところです。実際のところタワーマンションに住むメリットはたくさんあります。
●展望台からのようなステキな眺望を自分ものに!
タワーマンションに住むメリットは何といっても、他のマンションでは味わうことのできない素晴らしい眺望が24時間365日、自分のものとなることではないでしょうか。眺望も毎日見ていたら飽きてしまうのでは?と考える人もいるかもしれませんが、景観が人の精神に与える影響は少なくなく、常に良い景観を見られる環境に住むというのは、美的満足度を満たし、ストレス軽減となるため、その点でもメリットと言えます。
●共有施設が充実している
タワーマンションともなると、戸数も当然多くなります。戸数が多くなるマンションでは、共有施設も住人の多くが使うため充実させる必要があります。特に、タワーマンションでは、ハイスペックな共有施設が多くあります。例えば、パーティールームやプール、ジムなどのレクリエーション施設があったり、知人を宿泊させることのできるゲストルームが付いていたりするマンションもあります。さらにクリーニングの受け渡しや24時間体制のコンシェルジュが常駐している物件もあります。
●防犯性が高い
タワーマンションでは、エントランスのオートロックはもちろんのこと、各部屋にセキュリティシステムが導入されていることが多くあるため、防犯性は非常に高いと言えます。エントランスにコンシェルジュが常駐している場合はより防犯性が高くなり安心です。
●駅近くの物件が多く、通勤・通学に便利
タワーマンションの多くは都市部に多く、ターミナル駅の目の前や駅直結といった好立地の物件が多くあります。タワーマンションに住むと駅までの距離が近くなるので、通勤や通学が便利になります。
タワーマンションに住むことで、さまざまなメリットを得られますが、高層マンションならではのデメリットもあるようです。
●地震の時に不便
タワーマンションでは、高層階になるほど地震の際に揺れます。マンション自体は耐震または免震構造となっていますが、室内の家具などが倒れる可能性が高まります。また、地震により停電が起きた時は、非常階段を使って上り下りが必要になります。
●エレベーターがなかなか来ない
高層マンションにおけるエレベーターの問題はなかなか解決されないデメリットと言えます。休日の日はまだしも、平日の朝はいわゆるエレベーターのラッシュアワー。待ち時間が5分、10分というのはまだいい方で、中には地上階に降りるのに20分もかかった人もいるようです。駅チカがメリットというタワーマンションですが、エレベーターの時間も考慮して出かける必要があります。
●強風で窓が開けられない
タワーマンションの高層階では、常に強風が吹くため窓が開けられない設計となっているところが多々あります。マンションによって条件は異なりますが、高層階であっても、少しだけ窓が開く設計のマンションもあります。
タワーマンションとはうってかわって低いことがメリットとなる集合住宅もあります。低層マンションは概ね高さ10~12メートル程度、3~5階のマンションのことを指します。それでは、低層マンションにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
●高層建築物が立たない環境の良さ
低層マンションがなぜ低層なのかを考えると、低層マンションが建てられている地域というのは、「第一種低層住居専用地域、もしくは第二種低層住居専用地域」という住環境を優先して、建物の高さ制限を設けられた地域ということが言えます。これらの地域は一般的に治安のよい住宅街であることが多く、希少性も高い地域のため人気があります。
また、周囲に高い建造物が建たないということで、日当たりの良い物件が多いのがメリットと言えます。
●一戸建てに住んでいるかのような感覚も
低層マンションの中でも「第一種低層住居専用地域」に建てられた物件は、規則として建ぺい率が30~60%と定められています。これは、例えば建ぺい率が30%の物件の場合は、残りの70%が庭などの建物以外の土地ということになります。そのため、1階に住んでいる人には庭が付くなど、まるで一戸建てに住んでいるような感覚で暮らすことが可能となります。敷地にゆとりがあるというのも贅沢なものです。
●住人が少ない分管理が細やか
低層マンションにも管理人が常駐していますが、住人が少ない分、高層マンションに比べると管理が細やかに行われると言えます。住人もお互いが知り合いとなるケースも多く、セキュリティ面でも安心できます。
低層マンションはタワーマンションにはない魅力がたくさんありますが、デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?
●駅チカ物件が少ない
第一種低層住居専用地域、もしくは第二種低層住居専用地域というのは概ね郊外であり、駅からも離れているケースが多くあります。そのため、通勤や通学などのことを考えると、不便だと感じる人もいるかもしれません。
●リフォームがしづらい
低層マンションでは、間仕切り壁がコンクリートでできているケースが多く、高層マンションと比べるとリフォームがしづらい構造と言えます。そのため分譲で買っても、自分の好みにアレンジできないという場合もあるので注意しましょう。
タワーマンションには高層ならではの魅力があり、ステータスを感じて暮らしたい人に向いていると言えるでしょう。また低層マンションには同じタワーマンションに住めるくらいの経済的余裕がありながらも地域住民とのコミュニケーションも重視したい人に向いていると言えます。いずれも、自分のライフスタイルに合った物件を選んでみましょう。
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