近年、賃貸のトレンドとして浸透してきたのが「家具・家電付き」の物件。単身赴任や学生向けの賃貸マンションなどに多く、生活に必要な家具や家電をわざわざ新調しなくてもカバン一つで引っ越しが可能という点が人気の要因です。
しかし、実際のところ家具・家電付きの物件は家賃が高いのでは? また、家電製品が壊れたりしたらどうなるの?など不安になる部分もあるかと思います。そこで、今回は「家具・家電付き賃貸物件」のメリットとデメリットについて解説したいと思います。
家具・家電付きマンションを借りたいけれども、どれくらいの設備が揃っているのかが気になりますよね。一般的に家具・家電付きマンションの場合、家具なら、ベッド、ソファ、カーテン、デスク、ダイニングテーブルやイス、収納用品などが付いています。また、家電では、冷蔵庫、テレビ(テレビ台)、洗濯機、エアコン、照明、電子レンジ、掃除機などが付いているのが一般的です。つまり、生活に必要最低限となる家具・家電が揃っているので、便利ですね。
また、間取りではワンルームマンションが最も多く、単身赴任者や学生など即座に引越しをして一人暮らしを始めたいという人に向いています。
家具・家電付きのマンションに引っ越す場合は家賃が割高になるというのは本当でしょうか?同じ地域、同じ間取り、同じ築年数などの同条件で比較すると、20~30%程度割高になるようです。また、家賃だけでなく敷金もやや割高になることもあります。
ただし、必要な家具・家電をすべて揃えたとすれば、いくらくらいになるか個人的に計算してみてください。仮に、単身赴任など一定期間だけそこに住むとしたら、期間によってはぐっと金銭的メリットも出てきます。
家具・家電付きマンションに引っ越すメリットはたくさんあります。
●初期費用を節約できる
引っ越しの際に家具や家電を新調するとなると、引越し費用の大部分を占める可能性があります。この大きな出費を節約できるのが「家具・家電付き」の最たるメリットだと言えるでしょう。
●荷物を減らして入居できるので引越し代が安くなる
家具や家電を買わずに済むというメリットがあると同時に、荷物が少なくなるため、引越し費用も抑えることができます。一人暮らしの場合なら、衣類や小物だけで引っ越しが可能となるので、段ボール数もかなり減らすことができるのではないでしょうか。持ち物が少ない人ならスーツケース1つでひとまず引越しすることも可能です。また、退去時にも処分する物が少なくなるという点でもメリットがあります。
家具・家電付きマンションにはメリットばかりのように見えますが、デメリットもあるので、きちんとおさらいしておきましょう。
●インテリアを自分の好みに揃えられない
新居に引っ越す際の一番の楽しみは、自分だけの空間を持てることですが、備え付けの家具・家電付きマンションの場合には自身の好みに揃えることができません。「せっかくの一人暮らし、リラックスできる空間がほしい」と思ってもインテリアはすでに決められたものが備え付けられているので、自身の思い通りにならない可能性がほとんどです。
●家電製品の質が選べない
インテリアと同時に家電製品もすでに備え付けられているため、家電製品の質についても自分の好みにすることができません。現在はエアコン1つとっても、空気清浄機能付きか否かなど機能はさまざまです。こだわりがなければ問題はないですが、家電の機能にこだわりたい人の場合には生活をする上で我慢をしなければいけないのがデメリットとなるでしょう。
●他人が使っていたものを引き継ぐ
家具・家電付きマンションでのデメリットとして、見知らぬ人が使っていた家具や家電を使うのに抵抗があるという点です。少し神経質に聞こえるかもしれませんが、1つの家具や家電なら気にならないけれども、すべての家具・家電が使われていたとなると抵抗を覚える人もいるようです。やはり、自身が使い慣れた家具や家電の方が安心という人には向きません。
●家具や家電の故障の際のリスク
抑えておかないといけないのは、家具や家電が破損した場合の契約形態。これは物件によって異なるので、引越し前に必ずチェックしておく必要があります。特に長年使われている家具は壊れやすくなっている可能性があります。いわゆる製品の寿命で壊れた場合は原則、大家さんが交換すべきですが、壊したと思われたらどうするのか?などについては各物件の契約内容によって異なるので、注意が必要です。
●長期だと家賃が割高に
家賃が2、3割ほど割高になると先ほど紹介しましたが、短期の場合ならそれほど問題ありません。しかし、長期となる場合には費用が割高になってしまいます。そのため、家具・家電付きのマンションを借りる時は、退去時期がある程度見えている方が良いでしょう。
家具・家電が付いているなんて、なんて便利な賃貸物件だと思う人も多いことでしょう。
しかし、実際にはメリットとデメリットがありますので、条件を比較しながら自分に向いているかをしっかりと判断するようにしましょう。
不動産関連情報
- 引越しをする時のことも考えよう。お部屋探しの時に注意したい10のコツ
- 不動産会社選びのポイント
- お部屋をチェックする際に重要なこと
- お部屋探しは住環境も含めて検討しましょう
- 物件(部屋)を契約する際の注意点
- フリーレントに敷金ゼロ?引越し時の初期費用を抑える方法とは?
- 知っておきたい!引越し“専門”用語集
- 分譲賃貸に引越しする際に知っておきたいメリット、デメリット
- 更新料が高いなら引越しも考える?賃貸物件の更新料って払わなければならないもの?
- 引越す前に知っておきたいマンションで暮らす時の基本ルール
- 引越しを考えるなら覚えておこう家具・家電付き住宅のメリット・デメリット
- 新居に引越しする時は要注意!マンション選びをするなら民泊禁止かどうか確認しよう
- 宅配ボックス、床暖房、24時間ゴミ出しも今や普通?引越しするなら、付加価値のある快適なお部屋で暮らしたい
- せっかく引越しするならDIYできる賃貸物件を選びたい
- 広くて快適な引越し先を選ぶなら。「団地賃貸」が1つのキーワード
- マンションの1階に引越しはありか?なしか?メリットとデメリットを考えてみる
- 賃貸物件へ引越しするなら必要です!「入居審査」って何を調べられる?落ちることはあるの?
- 南向きがベスト?北向きは家賃が安い?賃貸物件に引っ越すときに考えたい日当たりのこと
- 引っ越すならインターネット無料がいい?それは本当?今一度、メリット・デメリットを考えてみよう
- 引越しするならできるだけ長く住みたい。賃貸にも広がる「省エネ住宅」
- 引越しするなら景色がいいところに!マンションの最上階に住むメリット&デメリット
- 女性が引越しする時は気をつけて!最低限知っておきたい一人暮らしの防犯対策
- 引越しするなら住んでみたい!?ロフト、メゾネット物件のメリット&デメリット
- 台風の被害状況から見えた、引越し先としてのマンションの選び方
- シェアハウスとどう違う!?引越し先の新しい選択「ソーシャルアパートメント」
- 毎日ピクニックができるから幸せ!?公園近くに引っ越す際に知っておきたいこと
- 消費増税で家の購入や家賃はどうなる!?消費増税前の引越しで知っておきたいこと
- 一人暮らしから同棲やシェアを始めても問題ない?!引越しする前に知っておきたい賃貸契約の正しい知識
- 引越しをきっかけに、物を持たない生活をスタート?「サブスクリプション」サービスで考える新しい暮らし方
- エアコン、パソコン、植物、ウォーターサーバー。これって、引越し業者は普通に運搬してくれるもの?
- キレイにリノベーションしてあるから何も問題なし?リノベーション物件に引越す際に注意したいことまとめ
- 出産を機に新居を見つけてお引越し。新居選びで気をつけたいこと
- 女性の一人暮らし。引越しするなら治安の良い場所を選びたい!
- 次の引越しでいよいよ決断。「一戸建て」と「マンション」。どちらのメリットが多い?
- 引越しするなら自分に合ったところに住みたい!どんどん進化する「コンセプト賃貸」で自分らしい生活を
- 引越しを考えるなら調べておきたい。防災のためのハザードマップ
- 引越しするなら、タワーマンションか、低層マンションか。それぞれのメリット、デメリットとは?
- 引越しする時は気をつけて!寒いマンションと暖かいマンションの見分け方
- 引っ越す時は必ず確認しよう。「旧耐震」「新耐震」の基準について
- 「ベランダ」「バルコニー」「テラス」って何が違うの?引っ越す前に知っておきたい賃貸物件の基礎知識
- 次の引越しでマイホームに住む!一戸建て住宅を建てる前に知っておきたい不動産用語①【家探し編】
- 通勤時間はもはや関係ない?テレワーク(リモートワーク)で変わり始めた引越しの条件
- 次の引越しでマイホームに住む!一戸建て住宅を建てる前に知っておきたい不動産用語②【費用と資金編】
- 次の引越しでマイホームに住む!一戸建て住宅を建てる前に知っておきたい不動産用語③【建築・設計編】
- 次の引越しでいよいよ新居購入。知っておきたい住宅ローンの基礎知識
- 次の引越しでマイホームに住む!一戸建て住宅を建てる前に知っておきたい不動産用語④【間取り&住宅設備編】
- 新しい引越し先にいいかも!1階が店舗になっている賃貸マンションのメリット・デメリットとは?
- 郊外への引越しを考えるなら。特長ある「再生団地」が気になる
- フローリング、クッションフロア、フロアタイル。引越す前に知っておきたい賃貸物件の床材の違いって?
- 戸建てに引っ越すならエネルギーの有効活用がマスト?最近話題のスマートハウスとは?
- マンションに引越すなら知っておきたい。大規模修繕計画のこと
- 入居者が主体となる集合住宅。「コーポラティブハウス」とは?
- 引っ越すならどっち?管理人が常駐するマンション・いないマンション
- 高架下に引越しできる時代が来た!?「高架下賃貸物件」の良いところ、心配なところ
- 次の引越し先は「木造マンション」?今、木のマンションが注目されている理由
- 賃貸借契約の更新通知が来た。これは引越すタイミング?それとも更新?
- 新築一戸建てへのお引越しなら、知っておいたほうがいい「ZEH」とは?
- 事件が起きてからでは遅い!引っ越す前に一軒家の防犯対策をきちんと考える
- 引越しするなら検討したい。憧れのルーフバルコニー付き物件
- 引っ越しするなら、駐車場選びのポイントを知っておきましょう
- オール電化とガス併用。引っ越し先として選ぶならどっちが良い?
- サウナ付き、小商い付き、家庭菜園付き自分の理想を叶えてくれる「コンセプト賃貸」に引っ越したい!
- 家を建てて引越しするなら!コンパクトな平屋が注目される理由
- 結婚を機に新居を購入して引っ越し。知っておきたい「ペアローン」のこと
- 引越しを考えているなら知っておきたい住民トラブルを避けるための物件選び
- 引越しする時に検討したい。電気とガスをまとめるセットプラン
- 「カーシェア」「シェアサイクル」「モビリティシェア」。引っ越すなら移動手段に困らないマンションに住みたい
- マンションから引越す時に考えてみる「マンション投資」のこと
- 引っ越すならどっち? エアコン暖房のマンションか床暖房のマンションか
- 電気代節約につなげるなら「省エネ性能ラベル」を見て引越し先を選ぶ時代が来る
- 賃貸物件のエアコンが故障したら誰が直す?引っ越す時の契約内容の確認が大事
- 「定期借家」「普通借家」って何?引っ越す前に知っておきたい契約の違い
- 中古物件を購入して引越しするなら「瑕疵(かし)保険」の仕組みを知っておこう
- 引越しを検討するなら知っておきたい「液状化現象」のこと
- 六曜や風水を参考にしながら引越しで運気をアップさせる方法
- 引越す前に知っておきたい。家賃値上げに対応する方法
- 引越す際に視野に入れたい。初期費用や家賃をクレジットカード決済するメリット
- 引越す時こそ考えよう。電気代を抑えるために必要なこと
- おもしろい形の集合住宅に引っ越してみたい。「テラスハウス」「タウンハウス」ってどんな共同住宅?
- 引越しする場所の水道水は安心できる?知っておきたいPFAS(ピーファス)汚染のこと
- 引っ越す時は、暑さ対策も考えて!熱帯夜を乗り切るためのマンションの選び方と対策
- 蛍光灯?LED照明? 引越し先を決めるときは省エネを考えて照明をチェック
- 引っ越しを検討しているなら知っておきたい「ZEH-M(ゼッチ・マンション)」のこと