引っ越してから2年くらい経つと、多くの賃貸住宅では「契約の更新」のお知らせが届きます。これは主に関東地方に多く見られる契約形態で、約2年毎に、物件に住み続けるための「更新」を行い、それに伴い、「更新料」を支払う必要があります。とはいえ、更新料が必要なのはすべての物件ではなく、規定はあいまいなようです。そこで、今回は賃貸物件における「更新料」について調べてみました。
賃貸物件に住んでいる場合、契約期間は2年と定められている場合が多く、2年後も住み続けるには契約を更新しなくてはいけない場合があります。この契約を更新する際に発生するのが「更新料」です。更新料の多くは、賃料の1ヶ月分が相場と言われています。
ところが、この「更新料」、地域によっては必要ない場合があります。
例えば、神奈川県では90%以上の物件で更新料は必要とされますが、北海道では約30%程度、大阪府や兵庫県では更新料を必要とされる物件はほとんどありません。
また、その額も賃料の1ヶ月分が相場と言われますが、0.5ヶ月分(埼玉県)や0.1ヶ月分(北海道)など地域によってかなり差があります。
つまり首都圏では多くの物件で更新料が必要となりますが、それ以外の地域は必要でない場合も多いようです。また、UR賃貸や住宅供給公社などの公的な物件では更新料が徴収されることはありません。そのため、首都圏以外の人が東京などに引っ越してきた際に、契約書をちゃんと読まずに賃貸を借りてしまい、2年後に更新料を請求され驚くというパターンが多いようです。
そのため、契約時に見落としがちな2年後の更新についても、引っ越し時にしっかり確認しておく必要があります。
【更新料徴収率割合の高い主な都道府県】
- 神奈川県:90.1%
- 千葉県:82.9%
- 東京都:65.0%
- 埼玉県:61.6%
- 京都府:55.1%
平成19年3月 国土交通省発表「民間賃貸住宅実態調査」により引用
地域や物件によって基準があいまいな「更新料」。実のところ、本当に支払わないといけないものなのでしょうか?
そもそも契約を更新するだけで、なぜ1ヶ月分もの費用を支払わないといけないのかと疑問に感じる人も多いことでしょう。更新料が必要な賃貸物件では、だいたい契約満了の1ヶ月前に大家さん、または不動産会社から、次の契約を更新するか否かのお尋ねがあります。そこで、契約を更新する旨を伝えると、新たに契約更新の書類を作成しなければいけません。そこで発生する手間賃や書類作成代が更新料として徴収されます。とはいえ、これはかつて、ペーパーでの手続きが煩雑だった昔の名残だとされており、実は法的に規定されているものではありません。
ならば、今後は一切「更新料は払わない!」と考える人もいるかと思いますが、契約書に明記されている場合にはやはり支払わなければいけません。更新料を支払わなければ強制退去をさせられる場合もあるので、注意しましょう。
東京都における更新料を徴収する賃貸物件の割合は約65%とされており、ともすれば、現在住んでいる物件は更新料を支払わなければいけないが、隣の賃貸マンションは更新料が必要ないということもあり得ます。立地条件も間取りも大差ないのに、自分たちだけ更新料を払わないといけないなんて、と思う人も多いことでしょう。
ただし、更新料や更新手数料が必要とされる物件では、その額や支払期間について交渉できる可能性があります。例えば、「2年に1回、1ヶ月分」とされる更新料を、「3年は住む予定だから、更新料は0.7ヶ月分にしてほしい」や、「2年に1回まとめた額を払うのは大変だから、毎年1回半月分を払う」など、適度な範囲であれば、交渉してみるとよいかもしれません。
これは大家さんに直接、または不動産会社へ話をすることになりますが、もしあなたが優良な借り主であれば、大家さんとしても空き物件が増えるのを避けるために、交渉に応じてくれる場合があるでしょう。また、更新料が高いと感じる場合であれば、契約から2年後のことを考えて更新料のない物件に絞って引越先を探すのも手でしょう。
賃貸物件における「更新料」の仕組みついてご紹介しましたが、いかがでしたか?
地域や物件によって基準がさまざまだということ、更新料については必ず契約書に記載があること、更新料の相場は家賃の1ヶ月分であることなど、今まで知らなかったということもあったかと思います。
こうした更新料に関することで、大家さんや不動産会社とトラブルに発展したりしないよう、更新料に関しての知識は頭に入れておきたいところです。もちろん、引っ越しの前の物件探しの時点から、不動産会社に「更新料など追加費用のない物件」という条件でお部屋を仲介してもらえば、トラブルは起こりにくいでしょう。更新料や礼金は退去時には返ってこないお金ですから、ぜひとも気をつけてお部屋選びをしましょう。
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