近年、一軒家の駐車場にある高級車を狙った盗難事件や、用意周到に実行される一軒家の空き巣被害など、恐ろしい事件が増えています。一軒家に引っ越すとなれば、特に周辺の治安については気を遣いたいものです。今回は、そのような事件に遭わないために一軒家におけるさまざまな防犯対策を紹介します。
一般的に、マンションよりも一軒家の方が空き巣や泥棒に入られやすいと言われています。2021年の警察庁のデータによれば、住宅別の侵入窃盗犯罪における一戸建ての割合は74%とダントツに高い割合となっています。年々、侵入窃盗犯罪の件数は減ってはいるものの、依然として一軒家が狙われやすいことには変わりありません。では、どのような一軒家が侵入窃盗の被害に遭いやすいのでしょうか?
●窓やドアが多い一戸建て
窓やドアが多い一戸建ては、風通しや日光がよく入るため、住むには快適な家と言えるでしょう。一方、空き巣や泥棒にとっては侵入の可能性が高まっているのも事実です。
警察庁の統計によれば、侵入窃盗罪の5割以上が窓や扉の戸締まりの不備、また、およそ3割がガラス破りとなっています。つまり、8割以上の被害が玄関や窓、その他ドアから発生しているということになります。
窓やドアが多いほど、施錠し忘れの可能性が高まります。また、気をつけたいのが人目につきにくいところにある勝手口です。玄関に比べ、施錠が甘くなりやすく、窓のように雨戸もないものがほとんどです。窓も大きいため、人目につきにくいところにある勝手口は狙われやすいと言えるでしょう。
●人通りの少ない閑静な住宅街に建つ家
「閑静な住宅街」は一軒家を持つ人にとって重要な立地条件となるでしょう。しかし、あまりにも人通りが少ないと、犯罪者に狙われやすくなるかもしれません。犯罪者は特に人の目を気にしており、閑静な住宅街はすなわち人通りの少ない町と言えるため、空き巣被害などに遭う可能性が高まります。また、閑静な住宅街には庭の広い家も多く、隣家との距離が離れている場合もあります。隣家からの目が届きにくいほど、犯罪者にとっては侵入しやすいと言えます。
●高い塀や植木に囲まれ見通しの良くない家
一軒家に引っ越す際には、プライバシーを守るために塀を高くしたり、植木によって周囲から家の中を覗かれにくくしたいものです。しかし、それは同時に、犯罪者が敷地内に忍びこむことができれば、人目につきにくいことにもつながります。プライバシーを守ることも大切ですが、塀が高ければ敷地内の見通しは悪くなり、塀つだいに2階に侵入されやすくなります。植木を多く植えてしまったら、さらに見通しは悪くなるでしょう。
一軒家が侵入窃盗に入られる可能性についてはわかってもらえたと思いますが、それでは、どのように防犯対策を行えばよいのでしょうか。ここでは、引越す際に検討したい、一軒家には欠かせない5つの防犯対策を紹介します。
●1. ホームセキュリティ・サービスに加入する
日頃から防犯対策を行っていたとしても、施錠のし忘れや長期の旅行などがあると犯罪者に侵入されやすくなります。ホームセキュリティ・サービスに加入していれば、侵入と同時に大音量でブザーが鳴り、自動通報やセキュリティ会社の駆けつけなどが行われるため、侵入者はモノを盗む時間がなくなることでしょう。
貴重品などはなるべく探しにくい場所に隠し、犯行の時間を稼がせることで現行犯逮捕につながる可能性も高まります。また、加入時に窓や玄関に貼られるステッカーによって、犯罪者はそのステッカーを見るだけで侵入しづらくなるので、それだけでも防犯性が高まります。
●2. 防犯カメラ、センサーライトを取り付ける
近年は町中にも防犯カメラが設置されるなど、防犯カメラは身近なものになりました。ホームセキュリティ用の防犯カメラも価格が下がってきており、データの記録容量も増えてきました。
空き巣などは防犯カメラの有無について事前にリサーチすることが多く、防犯カメラを設置することで未然に犯罪を防ぎやすくなります。また。人の動きなどを感知して光るセンサーライトも併せて設置しておけば、より効果的です。
●3. 耐ピッキング錠を取り付ける
玄関や勝手口などは「ピッキング」と呼ばれる錠破りの被害に遭いやすい場所です。このような場所には、ピッキング耐性のある鍵への交換が有効です。ピッキングは主に、ドアの隙間やドアスコープ、郵便受けなどから特殊器具を用いて開錠しようとしますが、室内側のつまみ(サムターン)が空転する防犯サムターンやドアの隙間を金具で埋めるガードプレートなどがあります。また、ディンプルキーと呼ばれるくぼみ型の鍵に交換することで鍵のコピー防止にも繋がります。
●4. 窓には補助錠を付ける
一般的に窓からの侵入は、派手に窓ガラスを割るというケースは少なく、玄関同様、ピッキングによる侵入犯罪が多くなっています。通常の鍵とは別に補助錠を設置することで、窓からの侵入を防げる可能性が高まります。また、留守中は雨戸を締めておけば、防犯意識の高い家だということが犯罪者に伝わるでしょう。
●5. 砂利や忍び返しなど
足音が響きやすい砂利を玄関や窓下に敷いたり、塀には先の尖った忍び返しを付けたりすることで、自宅の防犯性が高まります。また、カメラ付きインターフォンを設置したり、犬を飼う人は「猛犬注意」ステッカーなどを入口に貼るだけでも侵入意欲を削ぐことが可能です。
いかがでしたか? 特に建売住宅への引っ越しの際は家を買う際には、防犯対策がどれくらい施されているか、後にどれくらいの防犯対策が必要になるかを念頭に置いて内見などをすると良いでしょう。一軒家には長年住む人がほとんどだと思うので、防犯対策と併せて新居選びをするようにしましょう。
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