フローリング、クッションフロア、フロアタイル。引越す前に知っておきたい賃貸物件の床材の違いって?
賃貸物件に引っ越しを考えている人のほとんどが、床は畳やタイルではなくフローリングがいいと思っているのではないでしょうか。しかし、「フローリング」とは実は木材系の材質を使った床板の総称で、クッションフロアやフロアタイルなどもフローリングの一部となります。そこで今回はさまざまなフローリングの種類とともにそのメリット、デメリットについて紹介します。
フローリングと聞くと、「洋室に使う床のこと」と考える人が多いかと思います。しかし実際には、木材および木材に近い材質を床の表面に使った床板の総称です。フローリングには2つあり、「複合フローリング」と「無垢フローリング」に分けられます。
複合フローリングは、さらに3つに分けることができます。
天然木またはそれに近い木材に樹脂化粧シートの加工がされた「突き板タイプ」です。これが一般的にフローリングと呼ばれているものです。この他にもクッション性に優れた大きなシート状の塩化ビニル系床材である「クッションフロア」、同じ塩化ビニル系床材で組み合わせて施工する「フロアタイル」があります。ほとんどの賃貸物件では、この複合フローリングが使用されています。
一方、無垢フローリングは、ヒノキやスギといった丸太から切り出した自然な状態のままの木材を使ったフローリングのことです。一般的な賃貸マンションなどでは使われておらず、注文住宅の高級な床材として使用されます。
突き板タイプのフローリングは「天然木化粧合板」とも言われ、主に0.3〜1mm程度の薄い天然木(=これを突き板と呼びます)を基板に張り合わせたものです。木目を活かして塗装を施したものも多く、明るい白や淡色などを見たことのある人も多いかと思います。カラーバリエーションが豊富なのが特長で、天然木の風合いを楽しめます。
クッションフロアは、木目柄などが印刷された樹脂やオレフィンなどの素材でできた「シート」のことです。床にボンドなどで張り合わせたフロアのことを指し、シートフロアとも呼ばれます。
無垢材や突き板のように天然木は使用していませんが、天然木のような質感を再現できます。また、タイル調・抽象柄といったデザインもあり、価格が安価ということで多くの賃貸マンションで利用されています。
フロアタイルは、厚さがおよそ2.5mmの薄い塩化ビニル系を基材に貼ったタイル状の床材のことです。並べて貼る手軽さから、DIYでもよく使われる床材です。基本的にはボンドで下地に接着し、フローリング同士をはめ込みながら貼り進めていく工法なので、修復しやすいのが特長で傷のできたタイルだけを直せます。
突き板タイプのフローリングやクッションフロア、フロアタイルは、ともに天然木にありがちな「反り」や「収縮」といった性質が少ないため、素材が長期にわたって安定しています。
また、カーペットや畳とは違ってダニが発生しにくく、拭き掃除や掃除機でも掃除がしやすいのは嬉しい特長と言えるでしょう。同時に、抗菌や抗ウィルス素材を使ったものや、抗アレルゲンといった機能を向上させている製品も数多く出ているので、小さなお子さんがいる家庭やペットを飼っている家庭、アレルギーを持っている人にも適していると言えるでしょう。
カラーバリエーションもホワイトやダークカラーなどいろいろと揃っているほか、デザインも大理石調やタイル調といった種類があり、無垢フローリングよりもリフォームが簡単なのでコスパも良いとされています。
複合フローリングは傷が付きにくい素材のものが多いですが、一旦傷ができてしまうと、無垢材のように補修ができないというデメリットがあります。例えばクッショフロアやフロアタイルは、表面が塩ビのため、刃物や先の尖ったものなどで傷ができてしまうと、その傷口の修復が困難で張り替えるしかありません。
しかし、無垢フローリングの場合は天然の木をつかっているので、水分を吸収して伸縮する性質があります。そのため、ひっかき傷や小さなへこみなら水分を吸収させて、サンドペーパーで削るなどすれば修復することが可能です。
複合フローリングは、傷防止のコーティングがされたものやメンテナンスフリー仕様のものだと本体価格が高価になるため、一般的な賃貸マンションには使われていないことも多いので注意が必要です。また、質感や肌触りはやはり天然木が使われている無垢フローリングにはかないません。
いかがでしたか?このように一口でフローリングといっても意外と知らなかったこともあるはずです。床は必ず物を置いたり、歩いたりするので、傷を付けたりしやすい場所。賃貸マンションに引っ越す際には、内見時に床の材質についてもチェックすると良いでしょう。
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