東日本大震災や、能登半島地震の際にもニュースになった「液状化現象」。新居に引っ越す際は、強固な地盤の土地に住みたいと思う方も多いはず。液状化が起こりやすい土地とはどういうエリアなのか、引っ越す際にどのようなことを確認するといいのかを、紹介します。
液状化現象とは、大地震の揺れで地面の土がゆるんでしまい、水のように流れる状態になることを言います。地盤は、土や砂、空気や水などがバランスを保った状態で構成されています。しかし、土壌の中の水分が多い地域においては、地震の揺れによってこのバランスが壊れてしまい、それぞれが分離して地面を再構築しようとします。この時、重い土や砂は下に、軽い水や空気は上に押し出されてしまいます。
「液状化現象」が起こった場所では、地盤沈下が発生し、地面がひび割れ、段差、陥没等の現象が起こったり、建物がある場所では、地面だけ沈下して基礎が見えたりしてしまいます。他にも、基礎ごと崩れてしまい、建物が壊れてしまう場合もあります。
液状化が起きると、地中の水圧が高くなります。そのため、地中の砂や水が勢いよく地表へ噴き出してくることがあります。噴き出してくる勢いや地表の状態によってはその後の排水が追いつかずに、地表が水や砂だらけになってしまったり、マンホールなどの人工物が勢いよく飛び出してくることもあり、非常に危険です。
これまで安定していた地盤が急に柔らかくなるため、その上に立っていた建物が沈んだり、傾いたりすることもあります。また、地中にはガス管や下水管、水道管など私たちの生活に必要な配管が数多くあるので、液状化によってそれらが破損し、一時的にライフラインの一部が停止されてしまうことがあります。
このように、液状化による被害が地震後の生活に及ぼす影響は多種多様で、これらが複合的に発生することで影響期間は長期に及ぶことになります。
海岸や川の近く、埋め立て地などの地面に水分がたくさん含まれているような場所では液状化が発生しやすくなります。
例えば、臨海部や三角州地帯の埋立地、昔、池や水田だった場所、河川の付近といった場所は液状化が起きやすい地盤だと考えられるので、しっかり対策を取る必要があります。ちなみに、東日本大震災では液状化による大きな被害は埋め立て地や、かつて川だった「旧河道」を中心に発生したそうです。一方、2024年1月に発生した能登半島地震では、こうした地形に加え、風によって運ばれた砂からなる砂丘でも発生。中でも、被害が大きかった場所は日本海に面した側ではなく、陸側に集中していたそうです。
ハザードマップとは、地震などの自然災害による被害の軽減や防災のために、被害が出やすい地域や避難場所を確認できる地図のことです。このハザードマップでは、液状化についても確認することができます。インターネットで「液状化 ハザードマップ」と検索すれば簡単に無料で閲覧できます。現在住んでいる土地や引っ越す予定の土地が液状化しやすいかどうかを事前に確認してみることをおすすめします。
●土地を事前調査する
引越し先の土地を事前調査する方法としては、国土交通省が公開している「ハザードマップ」をチェックする方法があります。サイトを活用することで、土地の地盤がどのような地層で形成されているか、発生する可能性が高い災害などを確認することができます。
●地震保険に加入する
いかに液状化現象が発生しないように対策したとしても、自然災害による被害を完全に防ぐことはできません。大規模な地震などが発生すると、どうしても液状化現象が発生する可能性があるのも否めません。そのため、万が一液状化現象が発生した場合の対策として、地震保険に加入することをおすすめします。
「液状化現象」についてご紹介しましたが、いかがでしたか。引越し先を選ぶ際は、液状化現象が発生するリスクができるだけ低い土地を選ぶことが重要です。そのためにも、引越し先を決める時に、ハザードマップなどを利用して、液状化が起こりやすいエリアか否かを先にチェックしておくのもおすすめです。
また、マンションそのものに液状化対策の工事が施されているかも確認する必要があります。万が一に備えて、事前に準備しておくようにしましょう。
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