引っ越し後は住所の変更などさまざまな手続きがありますが、社会保障・税番号であるマイナンバーの住所変更も必要です。また、中学生以下の子どもがいる方はマイナンバーと同時に児童手当の変更手続きも忘れないようにしましょう。ここではマイナンバーおよび児童手当の変更手続きについて紹介します。
マイナンバーは、日本国内の住民票を持つ人に割り当てられる固有番号です。年金や医療といった社会保障制度の利用、納税、災害対策などの行政手続きに必要になります。そのため引越ししても番号は変わりませんが、マイナンバーカード(個人番号カード)やマイナンバー通知カードに記載されている住所の変更は必要です。
マイナンバーカードを持っている人と、マイナンバー通知カードを持っている人では、引越しの際の転入手続きに違いがあるので注意しましょう。
●マイナンバーカードを持っている場合
マイナンバーカードを持っているか否かに関わらず、転出届については通常の転出届と同じです。引越し日の前後14日以内に転出届を役所に届けましょう。
マイナンバーカードを持っている人は「転入届の特例」が適用され、転出証明書がなくても転入届の手続きが可能です。ただし、夜間や休日、役所によって、転入届の特例による手続きができない場合もあるので、注意しましょう。
また、転入届の特例で手続きする際は、マイナンバーカードの暗証番号の入力が必要になるので、忘れないようにしましょう。万一、暗証番号を忘れた場合は、引越し元の役所・役場で暗証番号の再設定を申請しなければいけません。同時に改めて転出届の手続きをやり直さないといけなくなるので、暗証番号は必ず暗記または保管しておきましょう。
マイナンバーカードは運転免許証などと同様の身分証明書となるので、役所に行く際は携行すると良いでしょう。
●マイナンバー通知カードを持っている場合
マイナンバー通知カードは、身分証明書の効力はないので、従来と同じ転出・転入届の手続きを行わなければいけません。また、転出・転入届の提出の前に、マイナンバー通知カードの住所変更をしておく必要があるので、注意しましょう。
以下に表にまとめたので、参照してください。
マイナンバーカード | マイナンバー通知カード | |
---|---|---|
引越し前 | 転出証明書は交付されない | 転出証明書が交付される |
引越し後 | ・転出証明書は不要 ・マイナンバーカードの暗証番号が必要 |
転出証明書の提出が必要 |
中学生以下のお子さんと同居している方は、児童手当を受け取ることができますが、引っ越した場合には、こちらも変更手続きが必要となる場合があります。
児童手当の変更手続きは引越し先により異なります。
●同じ市区町村内で引越しする場合
・自治体が支給するので、「住所変更届」を提出するだけで済みます。
●異なる市区町村へ引越しする場合
・(引越前)旧居の管轄の市区町村役場で「受給事由消滅届」を申請する。
・(引越後)新居の管轄の市区町村役場で「児童手当認定請求書」を申請する。
異なる市区町村へ引っ越す場合の手続きは、転出手続きと同様に必要書類があるので、転出届を提出する際に一緒に手続きすることをお勧めします。
異なる市区町村へ引っ越す人が児童手当を受給する場合、「受給事由消滅届」と「児童手当認定請求書」の申請が必要になります。
その際に必要な書類は以下になります。
・児童手当認定請求書
・印鑑(シャチハタなどはNG)
・申請者(児童手当の受給者となる親)名義の普通預金通帳
・申請者と子どもの健康保険証
・申請者の課税(所得)証明書
・本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、パスポートなどのいずれか1点か、健康保険証、年金手帳でもOK)
・マイナンバー通知カード(マイナンバーカードがない人は必須)
また、引越し前に住んでいた自治体から児童手当が支給されるのは転出予定日となる月まで。これらの手続きをしないでいると、児童手当を受給できなくなるので注意が必要です。なお、期限は転出予定日から15日以内となっています。
児童手当は児童の年齢によって支給額が異なるのと、年間所得が950万円以上の場合は一律5,000円となっているため、子どもを育てている父母のどちらか所得が高い方が申請する決まりになっています。そのため、受給者は一般的には夫である場合が多いですが、夫が単身赴任する場合、母親が子どもを育てていることになるため、夫は転入先の市区町村で改めて児童手当の申請が必要となります。
その際には、以下の書類が必要となります。
・住民票の原本
・「児童手当特例給付・別居監護申立書」
こちらは単身赴任以外でも別居の場合でも同様となります。
このように、引っ越しでの転出・転入届には、まずマイナンバーカードまたはマイナンバー通知カードを持っていることが重要です。また、各種手続きは、家庭の状況によって必要書類もさまざまなので、事前準備を怠らないようにしましょう。