引越しして愛犬と暮らしたい！ みんなの引っ越しあるある

犬は家族の一員であり、大切な命です。好きなだけでは飼えないということは、誰もが知っていますが、改めて犬を飼う前に知っておいてもらいたいことを列挙します。

●ペット可物件

持ち家であれば問題ないですが、賃貸の場合は引越す際に「ペット可物件」を見つけなければいけません。近年は世情からかペット共生型の賃貸マンションも増えてきているので、見つけるのはそれほど難しくありませんが、そうした物件は通常のマンションよりもルールが細かく定められていることを留意しておく必要があります。

飼育できるペットの種類や数、隣人トラブルにならないための各種制限（共有部ではキャリーケースに入れたり、抱きかかえたりして地面には下ろさないことなど）、そうしたルールにきちんと長年則って生活できるかについて、改めて考えてみましょう。

●経済的な余裕

犬を飼うにあたって、経済的負担が増えることは当然承知かと思いますが、購入やワクチンだけではなく、長期的な食費や医療費など生涯にわたってお金が必要となります。経済的余裕がなくなり、飼い犬を捨ててしまうということが一番あってはなりません。そういう意味でも、犬の平均的寿命である約14年を目安に経済的に保障できるかどうかについて考えましょう。

一般社団法人 ペットフード協会
2022年（令和4年）全国犬猫飼育実態調査結果

●愛犬と一緒に過ごせる時間

犬は人間にお世話をしてもらって生きていける動物です。食事を与えるだけでなく、飼い主と一緒に散歩をしたり運動したり、グルーミングや歯磨き、シャワーなど、起きてから寝るまでさまざまなお世話が必要です。そのためには、愛犬と一緒に過ごせる時間が必要です。仕事が残業続きで朝から夜遅くまで、自宅にほったらかすことがないようライフスタイル全体を考えなければなりません。

●生涯生活をともにする覚悟

近年、犬の平均寿命は延びており、約14年と言われています。多くは人間よりも命は短く、あなたが愛犬の最期を看取る可能性は高いでしょう。自身が高齢の場合は愛犬の平均寿命も考えておきたいところです。また、自身が若く愛犬と生涯をともにする覚悟ができているという人も、自身の健康や生活習慣には気をつけておきたいところです。もし、自身が病気で入院した場合、誰かが面倒を見てくれるのか、愛犬が病気になった時にすぐに病院に連れていける環境にあるかなども、常に念頭に置いておきましょう。

●愛犬の鳴き声

基本的に犬は吠える動物であることを念頭に入れておきましょう。集合住宅で犬を飼う場合には、無駄吠えがないようにしつける人も多いですが、仕事などで外出している場合は、吠えてしまうことも多いようです。ペット可物件なのだから、お互い様ということもあるでしょうが、程度問題となってくるので、あまりに吠える場合には対処する必要があります。

●愛犬の足音

愛犬がお留守番の時はケージにいれている人が多いかと思います。逆に一緒にいる時にお家で愛犬と遊んだりして愛犬の足音が気になるという人も多いので注意が必要です。

●ケージや爪とぎの音

ケージを噛んだり、ケージから出ようとして音がする場合があります。また、爪とぎは犬にとって必要な行動ですが、爪とぎの場所や素材によっては近隣に迷惑をかけてしまうかもしれません。

このように愛犬が原因による近隣トラブルは、騒音トラブルであることがほとんどです。そのため、引越す際は、防音対策が必須となるでしょう。

近年のペット共生型物件では、防音対策がほどこされている物件も増えてきていますが、ここでは飼い主による対策法について紹介します。

●壁に防音シートを貼る

すべての部屋に防音シートや遮音シートを貼ることは難しいかもしれませんが、愛犬がメインで過ごす部屋には、市販で売っている防音シートがあるので、貼るようにしましょう。

●フローリングの防音対策

床がフローリングやタイルの場合、愛犬の足音を防音するだけでなく、愛犬の足のスリップを防ぐためにもカーペットを敷くことをオススメします。特に足音を防ぐにはコルク製の防音マットなどがオススメです。

●鳴き声を防ぐ対策

鳴き声が気になる場合は、窓のカーテンを遮音カーテンに替えることで軽減できます。厚手のカーテンになるので室内の換気が難しくなったり、部屋が暗くなったりするので、カーテンを閉める時間帯などには気をつけたいところです。
また、ドアの隙間を塞ぐだけでもかなり鳴き声は軽減されるので、ドアや窓のサッシに市販の防音テープなどを貼るのも良いでしょう。

●ペットのための周辺環境チェック

愛犬の生活を考えると、やはり、愛犬を連れていける公園が近くにあることや、動物病院やペット用品店が近くにあることもポイントになるでしょう。また、交通量が多いと吠えやすくなることがあり事故に遭う確率が高まるので、道路状況についても調べておきたいところです。

●新築物件や高層マンションなどは避ける

人間には人気の新築物件や高層マンションですが、愛犬と一緒となるとストレスになることがあります。
例えば新築の場合、愛犬が爪を研いだり、室内を走り回ったりすることで壁や床のキズはいなめないところでしょう。また、高層マンションの場合は転落事故の危険性があるというのと、気圧の変化で愛犬の体調が悪くなる場合があります。さらに、散歩に行くため、一般の人よりも頻繁にエレベーターを使うことから、毎日の散歩が大変になりがちです。

●施設や設備のチェック

ペット共生型物件では、共用部に愛犬用の施設が充実しているところもあります。例えば足洗い場やドッグランはよくありますが、物件によってはグルーミングルームやペット乗車中サイン付きエレベーターなどもあります。細かいところでは、リードフックや犬猫用床資材が使われている物件もあるので、引越し前にチェックしてみましょう。

このようにペットとの共生がしやすくなってきている昨今ですが、その分、飼い主のマナーや覚悟が問われる時代になっています。安易な気持ちを持たずに犬を飼わないことは当然のこと、愛犬がより快適で安全な暮らしができるように配慮していきたいものですね。